酉谷山から大血川へと尾根を下る
2012/10/26〜27
酉谷山から小黒への途中
■ 10月27日(土) 2日目 ■
同宿の人との山の話、写真の話を終え眠りに就いたのは日が暮れてそれほど時間が経っていないころだった。ビールと日本酒の酔いが心地よく、6時間ほど熟睡して目が覚め時計を見るとまだ午前0時。イアーホーンでラジオを聴きながら何度かウトウトしているうちに夜が明けた。外は濃いガスが立ち込め、そのうちに雨が降ってくる。午前6時になったので米を研ぎ炊飯を開始する。
要注意
朝食が済んでから、いくら待っても雨は降り続く。天気予報を信じてレインウェアーはザックに入れなくてもいいかなどと出発の時の身支度の時に思ったが、山の掟は遵守するのがいい。外気温は5℃ほどだが、すぐ体が温まって汗が出る。酉谷山からの北面斜面を下りてもすぐ小黒の登りで暑い。
小黒から下りてトラバースの途中
小黒からは稜線を辿ろうとしたが、すぐの急降下のところを行き過ぎてしまう。やはり小黒は気を抜くことができない。斜面を巻くようにしていったん戻ると古のトラバース道の下降点に着いたので、そこを行くことにした。道標を経て出たところは倒木をくぐってその先の稜線のブナの大木が1本あるところだった。
大血川分岐から先、小黒へのトラバース分岐
同宿の方から、奥多摩のブナ林について話を聞いていたが、熊倉山との分岐から下がったこの尾根にもブナ林があった。見せていただいた写真からは、まだまだ知らない奥多摩の自然の奥深さを認識させられた。自然の一コマ一コマを丁寧に鮮やかに描写されている。
ブナ
自然林の中をさらに下るともう一つの演習林の看板に出合う。この看板の後ろを行くように大きく左に曲がって下りる。(まっすぐ行きたくなるようなところではある。) しばらく自然林が続くが、標高を下げると植林帯となって、枯れ枝に埋もれた急な踏み跡を下ると、そのまままっすぐ進みたくなるようなところに、朽ち果てた道標が木に括りつけられている。
この分岐も重要
この道標を支点にまるで180°Uターンするように方向を変える。その跡は踏み跡をたどって植林地を抜け、崩壊地点を慎重に高巻く。あとはジグを切った自然林の急斜面を滑らないように下りるだけ。だんだんと黒ドッケ沢の水流が聞こえてくる。
見落とし不可
登山口の滝
ようやくクイナ沢橋に下りてきた。クイナ沢が黒ドッケ沢に流れ込む末端は滝となっている。蓼食う虫も好き好き、沢屋さんにとっては格好のところだろうが、陽の射し込まない陰鬱な沢歩きを想像するとぞくぞくする。その後は東谷の流れに沿った林道をテクテクと歩く。濡れた衣類を着替え、大渋滞の都心部へと覚悟の上車を走らせる。
林道を進むと太陽寺