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酉谷山から芋ノ木ドッケを経て太陽寺に下りる
2012/11/23〜24


酉谷山避難小屋から登った長沢背稜の標識


 12月1日(土) 2日目  

  あれほど賑やかだった酉谷山避難小屋の夜も静かに開けた。今日は芋の木ドッケ〜お清平を経て太陽寺に下りるロングコースなので、土間に寝た青年が早立ちしたのに続き小屋を発ちする。まだ陽は射さないのでヘッデンを点けて長沢背稜を雲取山方向に進む。小雪が舞っている。夏の縦走用の軽装で来ているのでレインウェアーの上を着込んでちょうどいい出だしだが、そのうちに体が温まってきて暑さを感じる。(ただし、気温は0℃。) 

 
馬酔木(あせび)

  昨晩の宴会で盛り上がっていた2人も雲取山避難小屋へ向かうはずで、少し遅れて出発したのだろうが、途中で風景を撮ったりして時間を要したものの、それ以外は淡々と歩を進めたので姿を認めることはなかった。そういうことで長沢背稜はいつまでも独占状態!今日は3連休の中日なので、周辺のメジャーなコースはごった返しているのだろうが、長沢背稜は私にとって好ましい状態がしばらく続く。


長沢背稜

 長沢背稜が少し斜度を増したところで、一息つくために立ち止まって後ろを振り向くと、稜線の北側の樹林が真っ白になっていてとてもきれいだった。ちょうど太い木の陰になっていたから分からなかったのだろう。雲取山方向から来た女性二人がこの風景を見て立ち止まり感激の声を上げている。少し体を動かして気配を感じてもらうと驚かれたが、聞くと、雲取山荘は満員で雲取山避難小屋も10人以上の泊まりだったようだ。


倒木帯から長沢背稜

 長沢背稜を進んで芋ノ木ドッケ手前の分岐から白岩小屋方向に出る樹林帯に入り込む。ここは鬱蒼とした樹林で、その中に倒木が甚だしく一瞬たじろぐかもしれないが、おびただしいテープに導かれて大ダワからの道に合わさる休憩できるところに出る。山ガール風の2人組がしっかりした冬支度で休んでいる。


芋ノ木ドッケ

 白岩山の頂上標識は、登山道から外れた樹林帯にあるが、陽のあたる反対側の雪が積もったベンチでおやつタイムとする。三峰口から登ってきた男性は、間近な距離になっても目を合わすことなく白岩山の方へ行く。大自然の力とはいえ、なかなか人の心は開放されるものではないことは、狭い小屋に入ってくるときも無言だったり、無言で出立する人に出合った時によく分かる。そういえば、前回タワ尾根からウトウノ頭に着いて休憩していると、手前でもじもじしている単独の男性がいたので、「どこへ行くの?」などと二言三言話しかけてやると、きちんと答えが返ってきた。そんな内向的な人たちの気持ちも考えてあげないといけない。


小黒と酉谷山(右)

 白岩山の北斜面の下りはアイスバーンとなっていて、山ガール、山ボーイたちが渋滞している。アイゼンは持ってきてはいないが、あっても付けるほどのことはないとは思うものの侮ることはできない。しかし、渋滞が解消するのを待っていては埒が明かないので先に行かせてもらう。その先、前白岩山の北斜面でも同じような路面状況となっている。


太陽寺山門

 お清平から太陽寺へ至る道標のある場所で休憩とも考えたが、登ってくる人も多く、下りてくる人の声もたくさん聞こえるので、少し太陽寺方向の山道に入って南面の心地よい陽だまりで休憩する。ここなら人は来ないはずと思っていたら、女性2人が登ってきた。聞くと、太陽寺から清平まで出て、霧藻ヶ峰から三峰神社に下りるという渋いコース取りをしている。この時期にこんな登り方をするなんて、山が好きなんだろうな。避難小屋泊まりだったことを話すと、白泰山避難小屋泊を強く勧められた。なんと薪ストーブが置かれていて、小屋も使用する人たちが常に綺麗にしているという。このコースは2002年ごろ、十文字小屋に泊まったときに下山で使ったコースだが、山の会の大勢で歩いたところなので、記憶には全く残っていなかった。


 紅葉が残る太陽寺で番犬に吠えられ、樹齢300年以上の木々に守られた参道を大血川の管理釣り場まで下り、車に戻ると、青年がザックを背をって姿を現した。前日の私のコースを酉谷山まで往復してきたとのこと。明るく礼儀正しい山青年だった。


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