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秩父・大血川/滝谷から酉谷山に登る
2012/11/23〜24


クナイ沢


 11月23日(金) 1日目  

  11月の3連休の初日は、前から雨マークになっていました。これなら酉谷山に登る人もいないだろうと、車を秩父に進めます。雨は午前9時から午後3時ごろまで降る予報なので、この寒い時期に大変だろうなと思いながら大血川の管理釣場先の東谷の東大演習林に沿った林道を歩く。林道の終点(実際は、檜岳の方向へとヘアピンカーブで道が続いている)であるクナイ沢で尾根に取り付き、落ち葉をかき分けながら登っていく。最近の記録を見ると、山ボケ猫さんチームがこのルートを歩いている。ところがこのチームは途中でいったんルートを失っているが、最後は元に復して事なきを得ている。

 
東谷林道終点から少し登ったところにあるドラム缶

  ひと月前のこの尾根は、まだ木々の緑が残っていて展望もなかったが、さすがに季節が進んで紅葉はすっかり終わり、自然林の尾根は遠くの景色を見ることができるようになっている。熊倉岳はさすがに見えないが、檜岳のなだらかな山容がお供をしてくれる。植林地帯に入ると鬱蒼とした雰囲気になるが、この尾根では植林もそう多くなく、高度を上げると優しい雰囲気のブナの林となる。つづら折りの山道を登り詰めて熊倉山と酉谷山に分かれる大血川分岐に到着する。


木々の間から檜岳が見える

 分岐から小黒に登るが、ここは大血川峠への直通トラバースの踏み跡があったり、その先には小黒へのトラバース道もあるし、直登ルートも下りでは道迷い多発の要因となる樹林帯のはっきりしない尾根筋ルートが交錯していることから、今回は尾根筋ルートのGPSトラックログを録ることとした。そのログを見ると、尾根筋でも結構ジグザグと歩いていることが分かる。


落ち葉がなければ踏み跡明瞭 ただし赤テープは必ずしも登路を示すものではなく林業作業用である

 小黒から大血川峠に下り、最後の登りとなる酉谷山北面斜面を登る。ここはめちゃくちゃに多くのテープが付けられた、いわば無法地帯となっているが、高みを目指していけばいいので迷いようがないところである。それゆえ、満艦飾となったテープをこれ以上増やしてはもらいたくないところである。特にこの北斜面は湿度が適当にあってこの界隈ではなかなかお目にかかれないエンレイソウやコミヤマカタバミ、バイカオウレンがお出ましになるところなので、あわてて斜面を適当に歩くのではなく、踏み跡をしっかり確かめながら登りたいものだ。


唯一の崩壊斜面を渡り切って振り返る (ここは高巻する)

 雨の予報だったのに実際は晴れ間も見えたし、小雨がちょっと降ったぐらいで理想的な天候となった。ただ、雨が収まると北風になって寒気が入るという予報どおり、酉谷山の頂上に立ったころには北風が吹き付けてきた。気温は急降下し汗をかいた体は急に冷やされる。そそくさと頂上を後にし、酉谷山避難小屋を目指す。


小黒/ここからいったん下って大血川峠へ (画像真ん中の木を巻くように右に行ってすぐ左方向に下る)

 長沢背稜の分岐から酉谷山避難小屋を眺めると、人がいる雰囲気がする。小屋に入ると2人が先着していた。そこで板の間の中央を寝床に決め、いつでも横になれるようにしてから食前酒と夕食の準備に取り掛かる。そこに2人がやってきて板の間は満員となった。そこに単独氏が来たので、土間寝決定のところ一番先に来た人が土間に下りて譲ったという一幕があったのちに、2人がやってきてテン泊になり、最後に来た若者は言葉少なに土間寝ということで、3連休初日の宿泊者がそろった。


小黒を振り返る

 持ってきた新聞や週刊誌を眺めながら酒を飲み、トランギアのメスティンで米を炊いていると、「ホームページをやっていませんか。米が立ったって書いていましたよね。」ということから話が弾んだ単独氏(Kuririnさん)は、実は牛首でビバークを余儀なくされたことのある人であった。実はこの単独氏のヤマレコのビバークの記録は何回も読んでいたのだった。

 男性ばかりのガサツな酉谷山避難小屋の一夜は、酒と山の話題で盛り上がったが、タイムリミットは午後8時までとの協定を結んでいたことから、いいところで切り上げシュラフに潜り込む。7人もいてガスも結構燃やしたので小屋内の温度は10度にもなって、ほんわか暖かい。


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