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タワ尾根から酉谷山避難小屋へ
2013/ 9/13〜14


酉谷山避難小屋から小川谷を見る


 9月 13日(金) 1日目  

  この連休は、当初、前穂高岳〜穂高岳を歩くことにしていた。初日の13日は高気圧に覆われるものの、台風が海上にあり湿った空気が流れ込むとの予報で前日、急きょ、少しは予報がましな北岳用にパッキングをし直す。しかし、モチベーションは急激に低下していくので、再度行き先を変更してつまるところ、いつもの酉谷山へ行くことにした。安易と言えば安易な変更である。


金袋山のミズナラ

 車を東日原の駐車スペースに停め、平日なので日原鍾乳洞までのバスの便を利用しようと東日原08:34発のバスに乗る。東日原から引き続き乗っている登山姿の乗客は、鷹ノ巣山の登山口で数人が下り、日原鍾乳洞で大きなザックを背負った3人が下りたが、一石神社方向に歩く者はなかった。これで今日のタワ尾根の静寂は約束されたものも同然と、神社にお参りしてから急斜面に取り付く。


陶板

 晩夏の奥多摩の急登で徹底的に大汗を流してベンチに辿りつく。ベンチからの支尾根をご夫婦が登って行く。夫唱婦随のようだが、「夫」は常に「婦」を置いてけぼりにするように登っている。途中で追いつくと、きのこを探しながら登っているようだった。そういえば季節になるとタワ尾根では、籠を持った地元の人に会うことがあった。金袋さんのミズナラの巨樹に出合う。太い、枝とも言えない幹の一部が割れ落ちている。巨樹の実態もこんなことだったとは・・・。


彫刻

 夫唱婦随の「夫」方は、ミズナラの巨樹に「婦」方を置いて来たようだ。人形山でも、金袋山でも一人で追随してくる。ついに篶坂ノ丸で腰を下ろして昼食としていたときに「夫」方が到着する。「この尾根には熊がいますよ。」とは言わず、四方山話を少し交わす。ここまでの間に、煩わしいほどの赤テープが残置されており、タワ尾根の風情が酷く損なわれている。「まったく、臆病風を吹かせるのなら、赤テープじゃなくてGPSででも道しるべとしてはどうか。」と思うが、赤テープをいたずらに張り付けるのが山登りだと思うなら、大いなる誤解であることを認識されるとありがたい。


長沢背稜は濃いガスで見えない

 このご親切な夥しい赤テープを頼って、ウトウノ頭に向かう。出合う人もなく静かなピークで「ウトウ」に再会する。ウトウノ頭から大京ノクビレへと向かう。クビレの先は迷いようのないほどしっかりした踏み跡が出来上がって、その先のモノレールに出る。かの赤テープはここまでで、モノレールから先は、本来の好ましいタワ尾根歩きとなる。このころになってガスが立ち込めポツリポツリと落ちてくるようになる。途中までの酷暑とはお別れし、長沢背稜に出ると気温はグッと下がって快適になる。


縦走路は間もなく

 まったくもって好ましい風景の長沢背稜ではあるが、タワ尾根分岐(滝谷ノ峰の下部)から酉谷峠までの間に(東日原の集落にも)複数のポスターが貼られている。昨年来行方不明となっている男性がいるが、今年になっても(私のような)中高年者が行方不明となっている。その2人の手がかりを求めるものである。岳人2013年10月号は「すぐそこにある遭難事故」「なぜに多い男性登山者の神隠し 独り静かに山を楽しむ寡黙なおじさん族は要注意!?」と、この2人の遭難事故を題材に元山岳救助隊副隊長の金邦夫さんの文章を載せているが、まさにこのホームページの管理人にぴったし当てはまるタイトルだ。ただし、管理人は奥多摩であろうがどこであろうが必ず登山計画書を作成し、行程管理人に渡してはいる。


水場健在なるも(2枚目:土砂と虫の屍骸が・・・)

 そして、何度通っても飽きのこない酉谷山避難小屋に到着する。水場からは水が程よく流れている。小屋に人の姿はない。小屋の3足のサンダルは前回の出発時にFさんによってそろえられたままの姿だ。さっそくいつもの行事、ビールと日本酒の冷却作業を行いつつ、水場を確認する。画像のとおり細かい土砂がゴムシートの上に溜まっている。水を差し込みドバっと中からの強い流れを作ると、微小生物の屍骸も流れ出てくる。そんなこともあろうかと、濾過紙(コーヒーフィルター)とそれを支えるジョウロを持参した。(別に気にせず飲みましょう!)

 まだ時刻は午後2時。することは何もなく、持ってきた新聞を眺めつつビールへ、日本酒へと手が伸びる。ゆっくりじっくり飲んだお酒が切れ、簡便な夕食。そして午後5時にはシュラフを被って寝入ってしまう。


 往路(1日目)    復路(2日目)
 着  地点  発  着   発 
   東日原BS  0834    酉谷山避難小屋  0820
   鍾乳洞BS  0845  0910  タワ尾根分岐  0910
 0925  ベンチ  0930  1000  ウトウノ頭  1005
 0955  一石山  1000  1035  篶坂ノ丸  1035
 1015  ミズナラの巨樹  1020  1055  金袋山  1055
 1055  金袋山  1025  1120  一石山  1120
 1120  篶坂ノ丸  1125  1135  ベンチ  1135
 1215  ウトウノ頭  1230  1200  一石神社  1200
 1340  タワ尾根分岐  1340  1235  東日原BS  
 1400  酉谷山避難小屋        
所要時間   0515 所要時間   0415

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