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酉谷山避難小屋から大血川へと下る
2013/11/23〜24


酉谷山避難小屋から 富士山


 11月24日 2日目  

  小屋に7人が寝たことから、目覚めた時の室温は10℃もあった。昨晩から6℃しか下がっていない。外気温は−2℃ほどだった。おかげでぐっすりと寝ることができた。隣に寝ていたはずの男性は相当早く出発したようで、誰もいつ出たのかを知らない。夜が明けるとタワ尾根&石尾根越しに富士山が姿を現す。

 
暁光

 今日の朝食は、お汁粉。皆が食事を済ませそれぞれ出発して行った後に、残った熊倉山〜聖尾根を下るという女性2人と小屋の掃除に取りかかる。その2人も出発したが、少し残って最後の一人となる。静かになった酉谷山避難小屋はまた格別。水場の水を飲んで出発し稜線に出る。


水場 (細かな砂などが混じることもある)

稜線ではビバークした人が出発の準備をし、さらに進むと2人が片付けをしていた。「小屋に入ればよかったのに。」と言うと、「4時にのぞいたら、もう宴会が始まっていたから・・。」と遠慮したとのこと。ただし、これは宴会ではなく、それぞれがそれぞれ酒を飲み始めたということであって、世にいう小屋の常連」が酒を飲んで騒いでいたというわけではない。 


朝の酉谷山避難小屋

 酉谷山の頂上までの稜線には、秩父側から寒風が吹き付けている。頂上の手前で4人が下りてくる。まだ8時前だというのに、この場所にいるということは事情があったのかなと思って聞くと、聖尾根に午前8時に取付いて、午後4時に小黒に着きビバークしたという。いずれにしても小黒は鬼門であることには間違いない。



酉谷山避難小屋

 その小黒に着くと、15分ほど先に小屋を出た女性2人がいて地図を出している。この2人には、昨晩、「小黒の案内を有料でするがどうか。」と冗談を言っていたのだった。聖尾根を下ると言うベテランの方なのであくまで冗談100%のつもりであったが、「魔境」小黒の真価発揮というところか。2人には「何かあったらホイッスルで知らせれば・・。」と言って、小黒に残る。その後小黒界隈でホイッスルの吹鳴は聞くことがなかった。


お断り この画像は床の汚れではない(清掃後の乾燥を待っているところ)

 自然林の中の岩が少しある急斜面(虎ロープがある)ところを下り、さらに進んで崩壊地点で時間を取る。その後は、どんどんと急斜面を下りて、きれいな紅葉が残っているなぁと見ると、そこはクイナ沢橋で、あとは林道を淡々と下るだけであった。


魔境 小黒

 今回は、急きょ設定した山行だったことから、陰気ではあるが比較的コースタイムの少ない大血川からのルートを選んだ。崩壊地点と岩場ミックスの急斜面のトラバースは雪や氷が着くと危険なので、使っても年内中だろう。


酉谷山頂上からの富士山

 一昨日(金曜日)は、6人ものグループが狭い小屋を席捲していたということだった。そのような小屋の使われ方には否定的な意見が多い。せめて目立った汚れは解消していくとか、汚した(汚れていた)トイレはきれいにして出ていくような配慮があるとそれだけで汚名を挽回できるというのに、漏らしたもので広範囲に濡れたトイレを放置していくのはいただけない。


名残の紅葉

 とはいうものの、Nさんのように心遣いをしてくれる人、ノートを見れば分かる通り、大多数の人はこの小屋の雰囲気を楽しみにしてきているので、今回も99%満足、いい山だった。


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