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ときにミニブリザード タワ尾根から酉谷山避難小屋へ
2013/ 2/ 8〜9


ウトウの頭で


 2月 8日・土曜日 (1日目) 

 今回は趣向を変えて、雲取山〜酉谷山〜三ッドッケ(天目山)の2泊行を計画していた。しかし、5日に首都圏にも降雪があったので、特に最近歩かれた記録のない芋ノ木ドッケから天祖山分岐の間に踏み跡がなく歩行が困難と判断し、前回同様タワ尾根を行くことにした。前回(1/25〜26)、酉谷山避難小屋の水場が弄ばれ樋が抜かれて水が流れていなかったことと、2/2〜3に小屋を利用した人の記録を見ると、水が採れず雪を溶かして利用したとのことなので、2日分の水を担ぐこととした。天気予報を見ると、標高2000mの気温は−15℃、日本海を低気圧が北上し等圧線の間隔が狭く強風が予想される。バラクラバ、ネックゲイター、ウールのアンダー、ウールのグローブ及びオーバーグローブで寒さを凌ぐこととした。


ブナと樫の木

 いつもより早く東日原を発とうと、早めの時間に目覚ましをセットし高速に乗る。青梅で高速を下りて最近はまっているチゲセットを食すために松○に入る。早朝だというのに店は営業ウーマン風、近隣の工場の方風、輸送関係の方風など多くの人が入っている。そんな中の登山服といういでたちでの食事は多少の違和感がないでもない。


左・酉谷山 小屋がポチンと点で見える ここから(雪なので)約4時間以上かかる

 奥多摩駅から東日原に車を進め、ねねんぼうの看板があった駐車場から一石神社へと歩く。平日登山、誰にも会わず神社からの急斜面に取り付く。前回(1/25)と違ってすぐ雪が現れるし踏み跡もない。ということは、2/5に降った今回の雪は相当手強いということか。


大京ノコルを振り返る

 それでも陽が射しこむ南斜面の雪は少し溶けかかっている。ただ、それも金袋山までのことで、あれほど雪のあった前回でも大樹の周りは輻射熱で雪が解けていたのに、今回のは降って間もないことからそのような現象はどこにもない。それでも、夏道を探りながら行きわずかな踏み跡に乗ると少し楽をすることができる。


タワ尾根と合流した長沢背稜を酉谷山方向へほんの少し進んで振り返る

 もうひとつ、前回と違うことは斜面の新雪の下はカチンカチンに凍っているということ。すなわち急斜面のトラバースで木の根に乗ってしまったり、氷に足を取られちょっと滑ると、とんでもないことになるということ。ウトウの頭までは良かったが、その先の急斜面にも雪がびっしりと付いていて足下が確認できず大スベリ、大京のコルに向かう左側の急斜面ではうっかり足を取られ転倒してしまった。ということで本当はアイゼンの着用が望ましい。


タワ尾根〜酉谷山間の陽が射す長沢背稜

 大京ノコルから先は岩稜の背を登ることになるが、ここは孫惣谷側をどこまでも巻いて、最後にルンゼ状の急な斜面を登り詰め、ほどなくしてモノレールの軌道に出合う。ここまで出れば後は時間がきっちり読めるので、のんびりモードで長沢背稜に出る。この合流部手前にビニール傘が捨てられていて、柄が木の幹に掛けられていた。いつか心の余裕があるときに持って下山しようと思っていたが、今回見てみると傘の部分がなく「柄」だけが残されていた。


行福ノタオ この前後は吹き溜まりのか所が多い

 長沢背稜は雪がたんまりと積もっていて、今回も辛い雪漕ぎを強いられるなぁと思っていたが、夏道を見つけながら行くと降り積もった雪がわずかに凹んでいるところもあって、それに乗ると歩きやすい。最近の記録を見ると一人が酉谷山から天祖山を歩いている。ところが、長沢背稜で見つけた凹みは稜線に上がろうとしてその先が消失している。ということは、この足跡は酉谷山方面への通行をあきらめたものなので、この先は前回の自分の足跡を中心に辿ることになった。


酉谷山避難小屋

 今回は、一石神社からの急登が辛くベンチまで10分も余分に要してしまった。また、長沢背稜から酉谷山方面で向かう途中で脚の付け根(蝶番)が疲れてきたが、それ以外はスタミナ切れもなく気力も旺盛だった。大きな休憩と言えばベンチで5分、金袋山での腹ごしらえ10分、長沢背稜でのストレッチ等10分のみ。勇躍臨んだ長沢背稜は雪に覆われ、あるいは滑りやすく細い足下で緊張が必要なところもあったが、夕陽に染められた小屋に到着する。小屋の外の寒暖計は−11℃を指している。小屋の前は雪が少し吹き溜まっていて、戸を開けると・・・、この寒気で小屋内部全体がすっかり冷凍され、その後体は厳しい寒さに震えあがらざるを得なかった。


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 往路(1日目)    復路(2日目)
 着  地点  発
 着  地点  発
   東日原 0830    酉谷山避難小屋 0915
0900  一石神社 0900 1035  タワ尾根分岐 1035
1120  金袋山 1130 1140 ウトウノ頭 1200
1210  篶坂ノ丸 1210 1235 篶坂ノ丸 1235
1300  ウトウノ頭 1300 1255 金袋山 1255
1420 長沢背稜  1430 1410 一石神社 1410
1600  酉谷山避難小屋    1445 東日原  
所要時間 0730   所要時間 0500
前回の所要時間 0740   前回の所要時間 0530