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酉谷山避難小屋からタワ尾根を下る
2014/ 1/17〜18


酉谷山避難小屋


 1月18日(土) 2日目  


水場

 夜明け前の小屋内の温度はマイナス1℃、小屋の外はマイナス8℃であった。それほど寒い朝ではなく、よってマイナス15℃まで対応のシュラフではまったく寒さを感じることはなかった。というより暑いぐらいであった。大事な水場はどうかといえば、まったくと言っていいほど完璧に涸れていた。こんなことは、これまで一度も経験したことはなかった。コンクリート枡はすっかり乾いている。ということで、水の担ぎ上げは必須である。

 
非常用毛布

 2日目の朝の一番の仕事は、食事よりなによりトイレの清掃である。大便で汚しっぱなしのステンレス便器とコンクリートのたたきを徹底的に洗う。それには担ぎ上げた4リットルの飲料水が役に立つ。水場は涸れているからだ。飲料水を沸かしてこびりついた大便をあらかた洗い流す。その上に夕べ降った新雪を撒き、箒で掃き出す。いやはや、これまでの出し逃げは見たことがない。まさに恥ずべき『汚点』である。


トイレが肝心

 その後、ゆっくりと食事と、食後のコーヒー。こんな時間の流れがこの小屋では最高。しかし、時間はどんどん過ぎ去っていく。起きてからもう2時間半、お暇の時間となってしまった。昨日辿ってきた道を戻る。気温も徐々に上がってきて、汗ばむ。


長沢背稜(酉谷山避難小屋へは画像の右手に行ったあと、画像の後ろに回る場所)

 昨日から誰にも会っていない。タワ尾根をしばらく下る。ようやく、篶坂ノ丸というところで単独氏が登ってくる。「泊まりですか。」という問いかけに、表情筋をまったく変えることなく「泊まりです。」と答えて過ぎ去る。その足跡は篶坂ノ丸をオロセ尾根から上がってきていた。なかなか「通」な人だなと思ったのは思い違いであることが分かった。この氏の足跡は一石山方向からあって、金袋山手前の水源巡視道をいったん孫惣谷方向へ迷い込んで、その後篶坂ノ丸へ上がって行ったものであった。


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