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酉谷山避難小屋〜酉谷山〜矢岳
2014/ 4/25〜26



酉谷山避難小屋


 4月26日(土) 2日目  

 いつものようにぐっすり寝てしまった。心休まる酉谷山避難小屋の朝であった。新緑映える季節だというのに、たった1人でのんびりくつろぐことができた贅沢をさせてもらった。夕べ炊いたご飯の残りを適当に食してから、小屋へのお礼奉公を始める。いくらこの小屋の利用者がきれいにしてくれても、どうしても登山靴が運び込む土が床のたたきの材料として使っている小石と小石の間に溜まってしまう。


酉谷山避難小屋

  小屋の水場は、順調に流れている。水の流出口のゴムに竹の棒がかまされている(かましている)。しかし、この後の登山の記録をネットでチェックすると、竹の棒は外されている。なぜこの棒が必要なのかの観察もせず、考えもせず安易に「余計なことをしやがって」という気持ちで外すのだろう。今まではその理由を明かさなかった。最近、ミミズを薬用にするという話を聞くことが無くなった。そんなご時世に敢えて酉谷山避難小屋でミミズが泳いでいる水を飲みたいのだろう。


漢方薬?

 新しいコンクリート枡が設置された。そのことによって水源の湧出口が微妙にコンクリート枡より下の位置になってしまっている。よって、一度湧き出た水は次の水に押し出されないと流れない。特に流量が少ないときは水が滞留する。すると四囲の土壌に棲んでいるミミズが水に入る。ゴムの樋の少し奥は凹んでいる。たまにミミズが見える。枡の水たまりにミミズが浮かんでいる。だからゴム板の先を棒で押してやって水流に勢いを付けてミミズが凹みに溜まらないようにしないといけない。これがこの水場の現実である。ものごとにはそれぞれ理由がある。


酉谷山避難小屋

 小屋を後にする。長沢背稜に出るとまだ登山道を吹き溜まりの雪が塞いでいる(1か所だけ)。地味な矢岳へのの朽ちた、そして趣のある手製(私製)の表示板を左に折れる。ここからはいつもわくわくするルートである。矢岳へのルートは難しいところはないと思う。ただ、茫洋とした尾根を途中で折れる場所を把握し、認識しておかないとそのまま間違った尾根を直進して降下することとなってしまう。

篠戸山で

 人けのない矢岳へのルートを足早に進む。途中、馬酔木に囲まれた雰囲気のいい倒木でいつものように休む。日差しが強いが風が優しく吹き抜けていく。矢岳に着く。つまらない思想的な内容を表現した昔の残滓の看板が置かれている頂上を早々に後にする。カタクリロードと名付けてもいいほどのカタクリの花を見ながら急峻な北斜面を下りていくと、登ってくる2人とすれ違う。その後もカタクリロードは延々と続く(どこも北斜面のみ。ただし、篠戸山を除く。)


篠戸山のミツバツツジ

 昨日登った宗屋敷尾根も、今日の矢岳の稜線もミツバツツジは少なく、ヤシオツツジばかりが目に入る。ところが篠戸山で鮮やかな花を咲かせたヤシオツツジを数本見ることができた。辿ってきた長い尾根筋を振り返って樹林帯へと入る。本数の少ない秩父鉄道の発車時刻に間に合わせようと急ぎ、発車直前に武州日野駅に着く。

矢岳界隈はビニール紐のひらひらでひどいことになっている。赤岩ノ頭から矢岳の間が特に醜い。サムネイル2番目の赤テープは、巻き付け方が特徴的である。この貼り付け主は、秩父側の山中におびただしい数のテープを残置している。バリエーションルートは俺のフィールドだと言わんばかりに。唖然とするしかない。


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