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                     これが坪山 噂のヒカゲツツジ
                             2008/4/12


           イワウチワも可憐な花を咲かせている花の山 花見を堪能したあとは頂上でのんびり
                             2010/4/13の坪山
                             2007/4/12の坪山(イワウチワ)
                             2007/5/24の坪山
                             2008/4/16の坪山


 昨年同時期の坪山では花びらが痛んだ、たった一輪のヒカゲツツジしか見ることができなかった。それは、開花後に雪が降って花びらがすっかりだめになったためらしい。今年の周期的に変わる天候も、都合よく休みの日には晴れてくれているから、土曜日の早朝の五日市街道を坪山に向かった。びりゅう館に駐車して西コースから登り、東ルートの様子を見ながら下りることとした。午前7時30分のびりゅう館の駐車場に停められた車は少ない。隣に車を停めた単独行のMさんと相前後しカタクリやニリンソウが咲き、トイレが設置されている西コースの登山口へと向かう。

 「坪山ハイキングコース」マップでは、西コース登山口付近を「カタクリ群生」地と記している。そのカタクリを「群生」と呼ぶにはオーバーかもしれないが、春うららかな坪山にヒカゲツツジを見に行こうとしたときに、今咲いたばかりのカタクリの花が見られることには、プラスアルファの幸せを感ずる。いつもは咲いているらしい杉林の中のヒトリフタリシズカの姿は見えなかったが、高度を上げていくと程なくして、大好きなイワウチワの薄いピンクの可憐な花に出会う。イワウチワが咲く場所はヒカゲツツジが咲く場所でもあって、クリーム色の上品な花が登山道をうずめている。昨年同時期の西ルートは、イワウチワは最盛期だったものの、ヒカゲツツジの花はほとんどなかった。開花後降雪をみたことによるものだったようだ。 

 ヒカゲツツジが満開となっている場所は、休憩用に倒木が処理されている絶好の場所でもあって、登ってきた人は口々に感嘆の声を上げている。昨年、ヒカゲツツジの群落がどれほどのものか見当もつかなかったが、いざ実際にこれを見てみると、その広がりと美しさに驚かざるを得ない。そして、ヒカゲツツジの木々の下にもイワウチワの花が広がって咲いていて、贅沢な眺めを見せてくれている。いつまで見ていても飽きないが、Mさんと頂上に向かう。

 ちょうど良く開花したヒカゲツツジはここだけで、登るにつれまだ蕾のままのものがほとんどで、これからしばらくは十分に楽しむことができる。イワウチワの花が切れると、次にイワカガミが姿を現すがまだ蕾も見ることができない。イワカガミが切れるころには頂上も近くなってきて、展望の開けたところに頂上標識がある。土曜日とあって、まだお昼には早い時間ではあるが、大勢の人が次々と登ってきて思い思いに過ごしている。

 東ルートを歩いたことがなかったので、なにか新しい花にでも会えるかなと淡い期待を抱いて下りてはみたが、矮小のヒカゲツツジとイワカガミがあるのを認めたほかは、まだ芽吹かない雑木林に彩を添えるツツジが数本あっただけであった。登山口のカタクリの花を再びカメラに収め、とある場所に咲くカタクリとニリンソウを見てからびりゅう館への道沿いのスミレの花やニリンソウなどをながめつつ駐車場に戻る。
前々日は、朝3時まで仕事、午前5時には起きてまた仕事に取り掛かり、鉛のように重い体をだまして登ったことから、車の座席に腰を下ろすとそのまま2時間も寝込んでしまった。土曜日の都内に戻る道路は大混雑の極みで、これも疲れた体にはきつかったが、旬のヒカゲツツジ、イワウチワやニリンソウを楽しむことができて、大満足の一日であった。


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