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 魔境!矢岳から酉谷山避難小屋へ
2011/ 4/ 1〜2

翌日の大ドッケのフクジュソウはこちら


  4月 1日(金) 1日目  

 1週間前の矢岳の登山がしっくりこなかったので、もう一度このコースにチャレンジすることとしました。西武秩父駅で下車し秩父鉄道お花畑駅に向かう途中で、犬の散歩途中のご婦人に「どこの山に登るのですか。」と声を掛けられるし、お花畑駅では駅員さんのあいさつが元気で清々しいので、背負ったザックも軽やかになります。武州中川駅で身支度を整えていると同好の士が一人いて、矢岳を往復するそうです。


2日目の七跳山への登りの途中から矢岳方向を見る

 今回は、雪もなく空も晴れわたり、気分はとても爽快なんですが、やはり年齢のせいでしょうか。それとも前回の矢岳登山から1週間しか経っていないせいでしょうか、歩くスピードが上がりません。そのせいで、かえってカタクリの群落を2か所も見つけてしまったり、前回見つけられなかった標識を見逃さなかったり、烏帽子谷を下りて荒川に下りる道の分岐を見落とさなかったり、イワカガミが岩に張り付いているのを見かけたりと、それなりの成果はあったようです。


「荒川村方面、林道崩れたため危険(2か所)2002.4.14現在」と読めます

 この前は、立橋山(1568m)北面の急傾斜の登りで滑って少し下まで落ちたので、今回は10本歯のアイゼンを用意し赤岩ノ頭(1448m)の手前から装着したのですが、その直前に雪の積もっていない急斜面で落ち葉の下の氷に足を取られて腹ばいになって滑ってしまった際、切り株で二の腕を結構傷つけてしまいました。何よりも口惜しいのはお気に入りだったスマートウールのロングのTシャツを破ってしまったことです。大けがをしなかったことを喜ぶべきであることはよく分かるのですが・・・。ここは標高差70mに30分かかりましたので、アイゼンを付けていても手間暇かかるのぼりであるということがよく分かるというものです。その代り、この周囲には広範囲にわたってアズマシャクナゲが群生していて、その季節には見事な花を咲かせてくれるのでしょうね。過去の記録を見ると5月中旬前後にトウゴクミツバツツジ、アカヤシオツツジやヤマツツジとともに花見ができそうです。また、小黒にもアズマシャクナゲの植生があるようなので、こちらも楽しみですね。 


左右は切り立ってすとんと落ちていきます。氷雪のときには要注意!

  矢岳を過ぎるとまだ雪があり、雪の上に前回の自分の足跡がまだ残っていて苦労の跡が偲ばれるのですが、特に牛首のあたりから坊主山の鞍部まではまだまだ雪がびっしり残っていて、気を抜くことはできません。ようやく、稜線に出て前回の轍を踏まないようにGPSに落としたルートとともに、赤テープをしっかり拾って歩くと、ようやく長沢背稜の登山道に行き合い、ほっとします。


ここからはマジで要注意です!

  今日は平日とはいえ陽気のいい金曜日なので、酉谷山避難小屋を独占できるとは考えてはいませんでしたが、すぐ登山道に真新しい前者の足跡を見付けると、正直気落ちします。ところがいざ、酉谷山避難小屋の戸を開けるともうそこには3人もいて、ますます意外さを感じるのですが、先客はどなたもいい人ばかりで、さっそく皆さんの輪に入ってよもやま話を繰り広げるのでした。なかでも、学生さんが何日もこの山域で過ごし、まだ下山しないという話を聞いた時には、今の日本に不足しているのはこのようにいい意味で破天荒と呼べる人なのです。服部文祥さんばりの歩きをしているこの青年は、立派な職業を目指して学業継続中でありました。


来たりし矢岳からの道に張られている注意書(長沢背稜)

 この青年から出来立ての温かいミネストローフをごちそうになりました。ごはんもα米などではなく自分で炊くほどのこだわりようですが、自分はいつものように日本酒の熱燗と棒ラーメンで晩餐は終わります。例によりシュラフに湯たんぽを入れて寝たのですが、イスカのエアー630X(使用最低温度−15 ℃)と相まって、汗をかくほどの暑さでした。


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