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とっておきの山・ヤマシャクヤク (2010年)

2010年 5月19日の様子 (群落全体が開花)
2009年 5月16日の様子 (群落全体で盛期)
2009年 5月12日の様子 (群落全体で盛期)
未踏の場所 札幌郊外のヤマシャクヤクの森
赤星山・東赤石山のヤマシャクヤク


 2010年5月7日 

 家の園芸種のヤマシャクヤクは開花して久しい。
また、気象庁の統計を見ると、
ヤマシャクヤクの群落地に近い場所の平均気温がこのところ上昇著しいので、
もしかしたら咲いている株もあるかもしれないと、
車を山へと走らせた。

 今日は、昨年見つけた群落地以外の場所を見てみようと、
数ルートを設定しGPSに落とした。
その中でも、歩きやすそうな渓流を一番に遡上する。
山道はところどころ崩壊している。どこかにまだ群落はあるだろうと、
左右をくまなく探しながら歩く。

  新緑に彩られた渓流沿いに明瞭な踏み跡があるので、
どんどんと高度を上げる。
群落地と同じ程度の標高まで登らないとヤマシャクヤクは見られないだろう。
ただ、山の斜面は乾いていて、
林の相やトータルな雰囲気からは本命の花を期待できそうにない感じがする。
そのうち、踏み跡も消え、渓流も傾斜が急な岩場となってしまったので、
これ以上は自分の能力の範囲を超えていると判断し、
おとなしくもと来たルートを戻る。

  雨が降ってきた。
今日は、雨が降ってもできる限りヤマシャクヤクを探して歩こうと決めていた。
ズボンを雨衣の下に替え、Tシャツに雨衣の上を羽織り、発汗に備える。
少し歩くと、初めて見る花に出会う。
ヤマブキソウだった。
このヤマブキソウはどれも咲いたばかりで、その出会いは新鮮だった。

 それからしばらく山を歩いたが、
スミレ、カタクリ、ニリンソウなどが見られるだけで、
どこにもヤマシャクヤクはない。
間違って木々の下に別な稀少な花はないだろうかと目を凝らすが、
そうそうたやすくそのような花たちが待っているわけはない。

  もう相当歩いた。
そろそろ昨年見つけた群落地に向かわなくては・・・。
雨に打たれながら群落地付近の山に入る。
見当をつけて目的地に向かうとボツボツとヤマシャクヤクに出会うが、
まだまだ蕾のままだ。
核心部に入ってもいずれも蕾ばかりで、
咲いている株は一つもなかった。親株の周辺に幼株が目立つ。
昨年は5月12日で花が終わりかけのものもあったことから、
今年は多少開花が遅れているようだ。

 群落地を離れさらに探索を続ける。
まだまだある。
次の場所に移るが、もう新たな発見はないので出発地点に戻ろう。
標高を下げたので、まさかここら辺りにはないだろうと思いながらも、
ヤマシャクヤクを探しながら下る。

 と・・・、植林と自然林の境界でヤマシャクヤクの幼苗が一株あった。
ならばこの周辺を徹底的に探索せねばと尾根の周辺、左右の斜面をしばらく歩くが、
見つけることはできなかった。
雨は降り続いている。
登山靴も雨衣もすっかり泥で汚れてしまった。
これから4時間運転して帰らなければならない。
明日は仕事もあるし・・・、
と引き揚げることにした。


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