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群落地のヤマシャクヤク開花(2012) 
2012/ 5/20

 前回、ヤマシャクヤクたちはまだ蕾がほとんどだったことから、もうそろそろだろうと群落地を再訪することにしました。ただそれだけでは芸がないので、あらたな植生の場所を探そうと5ルートほどの見当をつけ、うち1ルートを探索してみました。そのルートではなんの発見もなかったのですが、思いつきで歩いたルートに、なんと20ものかたまりのヤマシャクヤクを見つけることとなったのです。この群落地を「第四群落」としておきましょう。ここは、通常よほどでなければ人が入り込むことのない尾根の10m内外の高低差の鞍部から、わずかに沢状になったところです。最初の一塊のヤマシャクヤクを見つけたときの驚きと嬉しさは、例えようがありません。


 第四群落地 ■


これまで第一群落地〜第三群落地の発見により、自生地のヤマシャクヤクの株数は幼苗を含めると
1,000株を優に超えることとなった。しかし、これだけではないはずだと判断し、
あらたな場所を探すために地形図を眺めつつ作戦を立てて早朝山に入る。
最初のルートは、雰囲気は良かったが駄目だった。
次の場所は現地で急きょ思いついて入った。最初は雰囲気はまったくよくなかったが、
歩いているうちに感じがよくなってきて、遠くに白いものが見える。
「やった〜!」と内心で喜んだ瞬間だった。


そして山中彷徨が始まった。一つの塊があったから希望が持てる。
最終的には標高差50mの範囲に20のヤマシャクヤクの塊を探し当てることができた。
それには開花株あり、蕾の株あり、若い株あり、幼苗ありとバリエーションに富んでいる。
とある場所では、毎年見続けていた若い株が今年、ようやく蕾を付けてくれた。
ここ第四群落地のヤマシャクヤクも人知れずどんどん咲き続けてくれるだろう。


充実したヤマシャクヤクである。
虫媒花のヤマシャクヤクにとって、ミツバチが訪れてくれることは必須条件である。
この株がこれほど花弁を広げているということは、既に受粉が済んだことから、
思い切り花弁を開いて朝の光を存分に浴びているのだろう。


苔むしたところにもヤマシャクヤクが相当数あった。
ちょうど疎林となって光を受けることができるところに分散している。


そこだけが急斜面になっている。
足場は非常に悪く鹿にも蹴散らされなくていいところだ。
ヤマシャクヤク三姉妹は、寄り添いながら花を咲かせている。


本当にいい顔をしている。
清楚で美しい。
それ以外の言葉は知らない。


この群落地ではまとまっている部類に入る。
若いグループである。


もうこれ以上の探索は、時間が足りなくてすることができない。
今回は標高差にして約80mの範囲を調べた。
あと50mの範囲を調べる必要がある。
きっと多くの出会いが待っていることと思う。


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