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新穂高温泉〜槍平小屋〜槍ヶ岳 (テント泊)
(2日目)

2016/ 8/31〜9/ 1


北アルプスの夜明け


 9月 1日 (2日目)  
この日の行程:槍ヶ岳山荘〜槍ヶ岳〜槍ヶ岳山荘〜飛騨乗越〜槍平小屋〜新穂高温泉


北鎌尾根と双六岳

 2日目は、頂上には昨日登って素晴らしい展望を長い時間堪能したので、もう一度登り直さずに下山しようと思っていた。それに昨晩は酒に酔ってしまい夕飯を食べていなかったので、早く朝食をとりたい気持ちもあった。それにまだ黎明が訪れない早朝にテントの換気口から見る槍ヶ岳方向にはガスがかかっている。そんなことでテントでダラダラしているといつの間にか雲が取れ、素晴らしい光景広がっている。すでにご来迎の時間には遅いが、また登るか! 



槍ヶ岳に途中で 槍ヶ岳山荘

 ズボンのポケットに水が入ったプラティパスを押し込み、寒さ対策を整えて槍ヶ岳に取り付く。いつもなら槍ヶ岳はどの時間も上り下りする人で渋滞するが、今日は日の出の時間にも登る人は少なく、ストレスなく頂上に上がることができた。登る途中ですれ違った人に「大展望ですよ。」と教えてもらうが、まさに360度の大展望であった。昨日といい、こんな贅沢をしていいのかなぁ。66th の誕生日を静かで大展望の景色を見ながら槍ヶ岳の頂上で迎えられること、その槍ヶ岳にテントを背負って登る意欲と身体を保持していることは、何にも代えがたい。


槍ヶ岳の頂上から 南方の主稜線を見る

 槍ヶ岳の頂上には、それでもパラパラと人が登ってきては下りていく。その人たちの滞在時間は短い。なぜなら、強い風と低い気温にある。朝一番のテント場の気温は+6℃ほどであったというから、これに風が加われば体感温度はもっと低いはず。そういえばトレラン様スタイルの軽装で小屋に泊まった人も少なくなかったようだが、その人たちは昨日の夕方の時点で小屋の外にいてとても寒そうにしていた。


槍ヶ岳の頂上にて

 頂上にすっかり人がいなくなって、さあこれからが私の時間と思っていたら、おじいさんが登ってきてスマホで通話を始める。槍ヶ岳に登ったことの興奮による声高な電話だがすぐに終わるだろうと思ったがなかなか止めないので、ここが潮時とみて降りることにした。それにしても手がかじかむ。気を抜かないで梯子を下りる。


奥穂高岳に雲がかかる

 頂上から下りて食事をする。テントを畳むのもスローペースで、テント場を出発したのは午前8時を過ぎていた。今日は何も慌てることはないだろう。今夜中に家に帰り着くことができれば上出来である。北アルプスのマチュピチュ、槍ヶ岳のテント場を振り返りながら飛騨乗越に降りる。南岳から来たのだろうか。
 「厳しそうな山ですね。私には登れそうもないですね。」
 「そうでもないですよ。私も最初に登ったときは、登る前は自信がなかったのですよ。でも、3点支持だけは常に意識したほうがい いですね。」
 「そうですか。では頑張って登ることにします。」


テントの換気口から 槍ヶ岳

 西鎌尾根を千丈乗越から降りてくる人が見える。粋な人だなあ。昨晩槍ヶ岳山荘に泊まってこんなルート取りをするというアイディアもあるんだ。・・・と思って、その後白出沢で追い着かれたときに聞いたところ、双六小屋に泊まって下山してきたという。失礼ながらそれほど若くはない年代の人とお見受けしたが、その後の林道歩きの早いこと・・・。


飛騨乗越で槍ヶ岳に別れを告げる

 槍平小屋に着いて休憩すると、これから槍ヶ岳に行くというテント泊装備の単独の女性がいた。山での泊りはほとんどテントだという。なるほど、ザックもコンパクトにまとめてある。ここでグレープフルーツを食べようと思っていたので、半分お分けする。
 「うわぁ、果物!いいんですかぁ。」
 山登りに果物や生野菜は重い。ましてやテント泊ならばなおさらであるが、数日の縦走でも日数分の果物は持っていく。その重さが体にじわじわとダメージを与えることを知りながら・・・。


飛騨沢登山道わきのミヤマリンドウ

 山を下りての帰路、有料の安房峠トンネルは通らず旧道を走る。安房峠からは明神岳や前穂高岳がドッド〜ンとそびえているのが見える。中の湯温泉の手前、焼岳の登山口にある駐車場でこれらの山並みを眺めながらお湯を沸かし、ビールを飲んでいる人がいる。声を掛けると明日から焼岳〜ジャンダルム〜槍ヶ岳〜明神〜霞沢岳を周回するという。夢があるがあまりにも辛そうな距離だ。その後、焼岳に登ったが、上高地からその姿を見たいという青年に同乗を勧め釜トンネル入り口まで送る。下山日も300kmの運転だが、2日間の山があまりにも素晴らしかったから疲れもなく、ノンストップで帰る。


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