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槍ヶ岳〜大キレット〜涸沢岳〜奥穂高岳〜
ジャンダルム〜西穂高岳/テント泊縦走

2012/ 8/23〜25


(1日目) 2012/ 8/23
【新穂高温泉〜槍ヶ岳】


大喰岳とトウヤクリンドウ

 未明、松本市を過ぎ山道に入ってあれこれ思いを巡らせながらハンドルを握っていると、装備の中にエアーマットを入れていないことに気付く。テント設営を予定している槍ヶ岳も北穂高岳もテント場は岩場だろうから困ったことだが仕方がないとあきらめていると、車の中に使い古しのキッチンマットがあるのを思い出した。これで安心と、新穂高温泉で1時間30分仮眠しただけで、夜明けとともに右俣谷を進む。最初は単独行者と歩く。大学生4人組とは同じころ新穂高温泉を出発し、先になったり抜かれたりと、最終的には翌日の北穂高小屋まで前後した。


トリカブト

 穂高平避難小屋でいったん休憩を入れ白出小屋に向かうが、一緒に歩いていた人が遅れ出したので先に進ませてもらう。荒れた白出沢を渡り滝谷避難尾小屋で一息つける。明るく開けた場所にある槍平小屋で水を補給し飛騨沢沿いの疎林の中を徐々に高度を上げていく。プロトレックの高度計で2280mを指したザレ場に水量豊富な「最終水場」がある。東鎌尾根を左に見やりながら千丈分岐点を過ぎ高度を上げていくとコオニユリ、トリカブト、フウロソウなどが咲くお花畑が広がる。このころ大学生グループが追い着き前後して登る。ただ、お花畑で写真を撮るため、あるいはすれ違う人と山の話、花の話に興じるなどして遅れ、飛騨乗越で追い付いたものの数分間の先行を許し、槍岳山荘でタッチの差で大学生が最後で、テント場が満杯という痛い目に遭った。


いつも一緒の笠ヶ岳

 登山口の新穂高温泉から槍岳山荘までの標高差は2000mにも及ぶ。槍岳山荘でテント設営できない場合は、200m下って殺生ヒュッテでテントを張らなければならない。これも運命とどうにか納得し、多くの人が登ってくる槍沢を下る。途中、大きな荷物を背負った人には声を掛け、槍岳山荘の状況を教える。


殺生ヒュッテと東鎌尾根

 殺生ヒュッテのテント場は、まだ数張りのテントが張られているだけで静かだ。そんな中、2張りのテントの外で、Karaや少女時代(?)の歌を踊りながら歌っている高校生ぐらいの若い女性のグループが賑やかだが、このグループは翌朝は3時ごろから撤収を開始し、整然と下山して行く様子は統制が取られていた。


フウロソウ

 テントを張ってから、待望の冷え冷えのビールを買い求め、一気に2本とも空にする。酔いが回って横になると目が覚めたのは翌朝3時、女性グループの撤収作業の音からだった。テントの入り口は開いたままで、10度にもならないような寒さだったのに一度も目を覚ますことはなかった。

 
コオニユリ

 (フウロとコオニユリは飛騨乗越手前のお花畑で)


殺生ヒュッテのテント場にて

 槍岳山荘のテント場は25張り程度の収容数で、一区画そのものが狭い。眺めは最高の位置にあり、タッチの差で満杯の憂き目に遭うとは・・・。一方、殺生ヒュッテのテント場は、サイト数は少なくガレ場を整地しただけのワイルドなものだったが、槍ヶ岳の眺めは最高!北アルプスの稜線のテント場は、岩場を整理しただけのようなところが多く、ペグが打てない。しかし、吹き付ける風は強烈で、その対策として今まではメッシュアンカーを使っていたが、そのわずかな重量も減らしたく、最近はテントの張り綱に細引きを繋げて大きな岩塊を使ってテンションを取るようにしている。


つい2缶も!


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