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越冬準備も整った初冬の羊蹄山
2004/10/30



   収穫の済んだ羊蹄山山麓

  土曜日の午後の登山道には,大小2つの足跡が残っている。登山届には翌日の下山と記載していることから,避難小屋泊まりに違いない。もう11月になるというのに,午後の遅い陽射しを浴びただけで汗がしたたり落ちてくる。しかし,太陽が日本海上の雲間に沈むと急に寒くなって,登山道の湿った雪は氷雪と化してくる。


羊蹄山避難小屋

すっかり日が沈み切らないうちにヘッドランプを装着し,長袖のシャツを着込み,吹き溜まりの雪が入り込まないようスパッツを着け避難小屋を目指す。9合目手前のガレ場のトラバース道は積雪が十分あって,滑落に注意しながら慎重に渡る。


出入りは梯子を登って2階から

夕闇の迫った頂上下の山小屋からは一条の灯りが漏れている。冬季の入口である2階へ梯子を登って小屋に入ると,石炭ストーブが焚かれていて,親子連れの2人がいる。小学校2年生ほどの「僕」は,一生懸命宿題に取り組んでいる。「偉いな,僕。」と声を掛けると「僕」は恥ずかしいのか,木箱を机にわき目も振らないのである。

文庫本を片手に持ってビールとウィスキーをゆっくり楽しんでから寝袋に入ると,満足な眠りに就いてしまった。夕闇迫る時刻に大小の足跡追いながらゆっくり登った登山道,石炭ストーブが焚かれた暖かくて静かな山小屋,アルコールでまどろんだわずかな倦怠感。このような山のひと時が自分に合っているなと充実感を得ることができた山行であった。


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