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花の百名山 夕張岳
(2003・6・28 単独)



とある新年会の席で山好きな方に懇意にしていただいた。後日夕張岳のレ
ポートを見ていただいたら,トップの頂上の女性はその方の奥様であった。

 花の名山・夕張岳(1,668m)は,高山植物の宝庫として知られる。国道から10数キロの林道(2003年は6月28日から9月30日まで通行が可能であった。)を走り,登山口から標高差1,080m,登り4時間,下り3時間のロングコースには湿性植物から高山植物までが多様に花を開き,まさに花の探勝路,時期を変えながら何度も登りたい素晴らしい山である。

 前夕の飲み会,先週6月21日の利尻岳への遠征で,寝不足・蓄積疲労のきわみの身体に鞭打って,午前3時に起床,準備を整え,早朝の札幌の街を抜けて一路夕張へと車を走らせる。午前7時の夕張岳登山口駐車場は,既に車が満杯で,登山者は三々五々出発の用意をしている。


石原平の樹林のシラネアオイ


白花のものも

 冷水コースは広葉樹林帯から針葉樹林帯の,徐々に急登となる登山道を経て馬の背コースと合流する。標高1,000mから1,400m間の登山道脇にはシラネアオイの植生が顕著である。保護された広い群生地(石原平)もあり,花の最盛期に再び訪れてみる価値は十分にある。


風衝地となっている鞍部には夕張の固有種が咲く


ユウバリソウ

午前9時50分,標高1,439mのガマ岩手前の湿地で,50歩前を先行する男女2人が,熊を見たといって戻ってくる。(女性だけが先に逃げてきた。)小熊のようで,沢を下りて行ったとのことで,近くに親熊が潜んでいる可能性がある。しかし,もう頂上も近い。しばらく待って後続の登山者を待ち,数人が鈴や笛を盛大に鳴らしながら進んだ。

 望岳台で初めて展望が開け,芦別岳が見える。憩沢の水場のお花畑,熊が出没したガマ岩手前の湿地,ユウバリコザクラがわずか二輪咲いていた蛇紋岩崩壊地,湿性お花畑,吹き通しの蛇紋岩露出地のお花畑を経て頂上に達する。


ガマ岩手前の湿地はヒグマの交差点 背丈以上の笹薮をこいで行く

 頂上は,360°の大パノラマ,近くは芦別岳,遠くに大雪の山並みが俯瞰できる。広くない頂上に次々と人が登ってくるが,心地よい風が身体中の汗を持ち去ってくれる。ザックを枕に大の字になって頂上での快適な午睡と決め込む。気が付くと小一時間も経っている。 


ガマ岩にはミヤマアズマギクがぎっしり


              ミヤマアズマギク

 下りはもと来た道を前岳ノ沢まで戻り,右手にコースを取って展望のない樹林帯・馬の背コースのアップダウンを繰返しながら,急坂をしばらく下りる。すると夕張岳ヒュッテ前の広場が急に広がり,一息つく。ここからほどなくして分岐点に出合い,その先,登山口駐車場まではすぐである。

行程: 夕張岳登山口(07:00)〜冷水の沢(08:00)〜石原平(08:50)〜望岳台(09:03)〜前岳
    湿原(09:42)〜ガマ岩熊出没地点(09:50)〜蛇紋岩崩壊地(10:05)〜夕張岳頂上
     (11:1512:35)〜馬の背コース〜夕張岳ヒュッテ(15:35)〜夕張岳登山口(15:45)
    走行210km


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