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春まだ早い八ヶ岳 編笠山
(2006/4/29)

 4月29日(1日目)


左から阿弥陀岳〜赤岳〜権現岳

 ゴールデンウィークの八ヶ岳の天気予報は悪く,直前の状況によっては参加を中止しようとも考えていた。ライブカメラで見る山肌には雪が張り付いているし,多少の天候の悪化でも標高の高いところでの影響は昨年の日高の夏山で痛いほど体験済みである。

 ところが,急に天気は安定するとの予報に変わり,予定どおり西岳から編笠山を経て権現岳に登り天女山に降りるルートに向け出発した。

 里の陽気と違って,登山道に入るとそこは未だ冬の世界で,この2日間でたった一つ見かけたスミレ以外に緑を見かけることはなかった。登山道はアイスバーンから積雪状態となり,西岳を過ぎて青年小屋に向かう源治新道の稜線は深い雪に覆われている。小屋の水は乙女の泉で取っているが,そこはゆうに2メートルはある雪に埋まっていて,水は流れていない。夜の宴会の焼酎のための水も必要だろうからと3リットルの水を担いで上がったが,しばらく振りのザックの荷物の重さはだらけた体にきつく感じた。


青年小屋

 青年小屋の北側はひさしまで雪に埋まっていて,八ヶ岳の冬の厳しさを物語る。幹の北側には枝が出ないほど過酷な北海道の冬の強風を受け耐え忍ぶ松に比べてみると,八ヶ岳の松は東西南北にほぼ平等にきちっと枝を出している。

ザックを小屋において編笠山に登ると,そこは南八ヶ岳の展望台であるばかりではなく,南アルプスの大展望台となっていて,特に甲斐駒が目前にドカーンと迫ってくる。明日の目的地である権現岳は,ギボシと呼ばれるピーク直前に急斜面の岩場があり,その先権現岳の稜線にはびっしりと雪が張り付いていることから,困難な登りを強いられるものと予想された。それとともに,権現岳の2700mを超える標高では,少しの天候の変化であっても大きな状況の変化を生むことから,9人もの大勢のメンバーで登ること不安を感じないわけにはいかなかった。


主峰 赤岳

 暮れなずむ展望の編笠山を下りて入った青年小屋は,今日が小屋開きである。大勢の登山者で華やいでいる。薪が燃やされている部屋には,昨年,編笠山に登られた皇太子殿下の写真が何気なく飾られていて,そのお姿は小屋の佇まいに溶け込んでいる。言葉通りの心づくしの夕食を登山者全員でいただく。一人でテントを担いで歩くスタイルとはまた違った贅沢な時間を過ごすことができる。まだ夜の早いニュースも始まらない時間ではあるが,疲れている。


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