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大 菩 薩 嶺


 2010/ 2/ 8(月) 


妙見ノ頭(左)と雷岩

 ここしばらくだらだら過ごしたせいで体と心がなまり、積極的に山に行こうという気が起きなかったが、数日前の人間ドックでの検査の数値に反省の念を覚え、数時間歩くことができる雪の残る山を歩こうと、大菩薩嶺を選んだ。ただ、大菩薩嶺は、連合赤軍が大菩薩峠周辺で軍事訓練を行おうとして集結していたところを警察によって大量検挙され、その後のあさま山荘事件への結びつきとなったおぞましい地でもあることから、これまでなかなか足が向かなかった。しかし、その事件からもう30数年も過ぎた。大菩薩嶺頂上からは展望を得られないことを承知で「健康一番」、手軽な雪のある山として歩いてみた。


大菩薩嶺

 大菩薩事件の舞台の福ちゃん荘から、唐松尾根を登り雷岩を経て大菩薩嶺に向かう。ご年配の夫婦が大菩薩嶺からの雪道を下ってきたので、敬意を表し道をよけてあいさつするが完璧に無視されて、日常の世界に戻る。日ごろこの世代のわがまま、傍若無人に気をつけながらお付き合いしている身であることを忘れ、いつものように清浄な気持ちで挨拶したのであった。


賽ノ河原と休憩所

 木々に四囲を妨げられ展望のない大菩薩嶺を後にして大菩薩峠に向かう。どこも吹きさらしとなっていて寒く、昼食のために腰を下ろす場所がないことから、賽ノ河原の休憩所まで行く。人影が見えていたが、これが件の年配夫婦だった。休憩舎でインスタントラーメンを食しているところだった。今日のメニューは野菜スープ仕立ての棒ラーメン。「戸を閉めてくれよな。」と宣って年配の御仁が出て行く。もうちょっとのところで、「アイゼンを履いて小屋に入るなよ。」と言ってしまいそうだった。 


初狩PAから見た早朝の富士山

 なんとなく登るのがためらわれていた大菩薩嶺だった。その山になんの責任もないが、30数年前のできごとに対する無条件のアレルギーは、やはり払拭できなかった。植生の保護を謳い延々と張られたロープの存在もあり、幕営を排しながら、一方で稜線を越えて山肌をえぐる林道の矛盾も無視できない。

【参考】 1 気温は+2℃から+8℃で推移。
      2 一部アイスバーンあるが、アイゼンは不使用。
      3 積雪は10〜15cm、一部吹き溜まりあるが歩行に支障ない程度。
      4 烈石から丸川峠分岐駐車場までのアスファルト道路は、きれいに除雪され路面にアイスバーン等な        かったが、勾配もあり、冷え込み時の日陰は要注意でありスタッドレスタイヤ装着を推奨。

【コースタイム】丸川峠分岐08:55〜10:35ロッジ長兵衛荘10:35〜11:00福ちゃん荘11:00〜12:00雷岩12:00〜12:10大菩薩嶺12:05〜12:10雷岩12:10〜12:40賽ノ河原避難小屋(昼食)13:30〜13:40大菩薩峠(介山荘)13:45
〜14:15福ちゃん荘14:15〜15:00丸川峠分岐


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