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全山花に覆われた道南の山 大千軒岳
2003/ 6/ 7〜8


 6月7日 


 千軒平下部から大千軒の頂を仰ぐ

 道南の花の山の大千軒岳(1,71m)は、日本一のシラネアオイの大群生地として知られている。知内川コースはワイルドなコースであり、かつ、道標などもほとんどないと言ってよく、要所要所でのコース確認が必要だ。また、この山は江戸時代のキリシタン殉教の地でもあり歴史の舞台とも言われるが、このような山の奥の奥で処刑されなければならなかった人々を思うとき、その地を登山という一時の遊楽で通過することに多少の後ろめたさを覚える。


ハクサンイチゲの先はシラネアオイが取り囲んでいる

 標高差840mの大千軒岳知内川コース。知内川を遡行したのち,ニセ銀座から急登の尾根道をたどる。江戸時代に多くのキリシタンが処刑され,千軒平のほか金山番所に十字架がたっている。


ミヤマアズマギク

 登山道脇はミヤマキンバイ,エゾノハクサンイチゲ,シラネアオイ,ミヤマアズマギクなどの大群落となっている。頂上直下の岩場から冷たい水が流れ出ており「千軒清水」と呼ばれている。これほど大規模なお花畑があるとは思わなかった。特にシラネアオイは山の裾を取り巻いており圧巻である。

 高山植物の最盛期でもあり多くのグループが登ってくる。喧騒が過ぎ去るのをじっくり待って再び時間をかけてお花畑を散策する。白花,黄花と紫色の高山植物が初夏の陽射しを浴び伸びやかに花を開かせている。

 6月8日 

 大千軒岳からの帰途,道路脇での仮眠が長くなってしまい,定山渓を早朝に通ることとなってしまった。付近に標高はさほどでもないが,以外と難しいコースをたどらなければならない定山渓天狗岳がある。定山渓天狗岳は花の山でもある。時間もあることだし,登ってみることとした。登山道入口から延々とシラネアオイが咲き,雪渓の脇にはエゾノリュウキンカが,途中の岩場にはミヤマオダマキ,サクラソウモドキ,ミヤマハンショウズルなどが咲いていて,あきることがない。

 大千軒岳,定山渓天狗岳ともに,この時期ブヨが大発生しており,ハッカ油を塗布し,あるいは防虫スプレーを使うなどの対策が必要で,これを怠ると大変なおもいをすることになる。

 行程:6月6日(金)札幌〜支笏湖〜函館〜千軒(車中仮眠)(367km)
    6月7日(土)登山口(06:45)〜お花畑〜大千軒岳〜お花畑〜登山口 千軒〜黒松内(車中仮眠)
     6月8日(日)黒松内〜定山渓〜登山口〜定山渓天狗岳〜登山口〜札幌  
           総走行距離629km


隠れた花の山 定山渓天狗岳のシラネアオイ


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