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エサオマントッタベツ川増水時の様子/通常時との比較
2010/ 7/30


 2010年(8月19日現在)の日高の山では、以下のとおり、沢の事故が相次いでいる。いずれも降雨後の増水した沢の渡渉などに起因するものである。年に1〜2度しか日高の山に行けない者として、平常時と増水時の違いをつぶさに見比べる機会は少ない。
 今回3回目となるエサオマントッタベツ岳〜カムイエクウチカウシ山(7/30〜8/4)の縦走に際し、沢で1泊、稜線で1泊停滞しなければならない酷い降雨と増水に見舞われた。その状況を比較することで、入渓・渡渉の参考となればと思います。


【2010年夏 遭難救助の事例】

@7月28日、カイエクウチカウシ山登山のため札内川から八ノ沢出合に向かった登山ツアー客ら6人が、増水により対岸に渡れず立ち往生していると救助要請。ヘリコプターで全員救助。

A 8月2日、悪天候で通行禁止の施錠がされていた千呂露川林道のゲートを合鍵で開けて入山していたツアー客8人が、渡渉できないことと疲労を理由として救助を要請。ヘリコプターで全員救助。

B 8月3日、額平川コースを幌尻岳に向かっていた女性4人パーティーが渡渉中転倒し、うち1人が死亡。3人はヘリコプターで救助。

C 8月15日、東京理科大ワンダーフォーゲル部の4人が、歴舟川上流の中ノ沢沿いでテントを張って寝ていたところ鉄砲水とみられる濁流に流され、3人死亡。1人が自力で岸にはい上がり17日に下山し、救助要請。


 ガケノ沢入渓地点 


(A) ガケノ沢入渓地点(2007)  のんびりした沢に見える



2010/7/30 06:40の(A)地点 水は濁り轟々と音を立てて流れている



2010/7/30 12:50の(A)地点 減水が始まりかけている



(B) 2010/7/31 06:40の(A)地点 24時間減水を待った結果、減水し濁りも取れた


■ ■ ガケノ沢の入渓地点 ■ ■
(Aの地点から右を俯瞰したところ)


(C) Aの場所から数メートル下流の2010/7/30 06:41の状況


(D) Aの場所から数メートル下流の2010/7/30 17:02の状況



(E) Aの場所から数メートル下流 24時間減水を待った2010/7/31 06:31の様子


2010/7/31 06:31の(A)の場所 
24時間減水を待った。中州も見えてきた。
決断の時だ。
渡渉開始。 


■ ■ ■ 小滝 ■ ■ ■


(F) 2008の小滝



(G) 2010/7/31 07:38
(上部は広がった川幅が滝の上で狭まっているので高巻きし藪に道を付ける)


■ ■ ■ 2010の主な渡渉地点 ■ ■ ■
(ガケノ沢入渓地点から997mまでの間)


(H) 2010/7/31 07:03 ガケノ沢入渓地点を振り返る



(I) 08:08 川幅狭く流れが速い



(J) 09:57 川下左岸からへつり、手前に渉る



(K) 10:12 左岸中央から手前赤テープに渉る



(L) 10:55 手前から奥の赤テープに向かって渉る



(N) 11:15 997m二股 
ザック以上の高さに増水跡があり、右手奥にあるテン場は完全に流されている。
渡渉は、石に立てかけてある長い棒を補助にして行った。
(川下の石などしっかりした場所の川床にさして流されないようにする。)

2008年には、ガケノ沢入渓地点から997m二股まで3時間で歩いているが、
2010年の今回は約5時間を要している。
河原を歩けないときは踏み後のない場所について高巻を多用したことによるものと思われる。


■ ■ ■  997m二股からの本流 ■ ■ ■ ■


(O) 2007 997m二股すぐ



(P) 2008 997m二股から少し登ったところ



(Q) 2010 997m二股からしばらく登ったところ


■ ■ ■ ■ ■ 滑   滝 ■ ■ ■ ■ ■



(R) 2007 滑滝よじ登り開始5分後の地点



(S)2010  2007とまったく同じ地点
水量は2007年に比べわずかに多いといった程度



(T) Sの地点からさらに30分登ったところから下流を望む


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