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聖沢登山口〜聖岳〜赤石岳〜椹島ロッジ縦走
(2011/11/ 1〜4)


2日目(後半) 聖岳から兎岳避難小屋を経て百間洞山の家へ


小兎岳


 11月 2日 (2日目後半) 
聖平小屋から聖岳を越えて百間洞山の家まで


2796mを振り返る

 聖岳から400m下がって次は兎岳と思っていたら、地図では把握していなかった大きなピークがあります。振り返ってみるとなだらかに見えますが、どうしてどうしてまるで1839峰の前衛峰のようです。しかし、体調は戻ってきていて推進力はなかなかです。遠くに見える兎岳避難小屋をめざしガレが連続する兎岳に取り付きます。


兎岳

 兎岳避難小屋は、遠くからは屋根が立派に見えたのですが、実際は小屋は斜面を切られてまるで埋まっているように建てられています。縦走路の尾根から少し外れています。見かけは戦時中の建物の残骸のようですが、中はきれいに補修されていて、緊急避難時(ではなくとも)に使用するにはもってこいの小屋です。なお、頂上に登ってコルまで下りると緊急時に使用が容認されている広いテント場があり、確認はしませんでしたが水場もすぐとのことで、いざと言うときには重要な場所です。


兎岳避難小屋

 兎岳から小兎岳へ向かいます。兎岳からの下りはなだらかです。小兎岳は小さなピークを越えた先のなだらかなところで、あまり印象に残るところではありません。淡々と歩いて中盛丸山に向かいます。


聖岳を下り兎岳に登る斜面

 


小兎岳

 中盛丸山は、赤石岳に登る途中に見ると凡庸とした山に見えますが、聖岳方向から見るとなかなか風格のあるいい山です。ちょうどガスも取れてきて美しい姿を現しています。ところがまた濃いガスが山全体を覆ってしまい、頂上は視界がありません。おまけに標識も何もないので、ここが中盛丸山なのだろうかと思うほどです。ハイマツの中に一筋の踏み跡が見えるので、大沢岳へはこの踏み跡を行き、そして下降したところに百間洞山の家への分岐があるはずですが、GPSを取り出して現在位置を確認しておきます。

 
百間洞山の家への新道 (手前の尾根は見晴台)

 百間洞山の家への「新道」を通る分岐(以前は大沢岳のピークを踏んで山の家に下りたらしい)は、大沢岳に少し登りかけたところにあり、標識もあって分かりやすくなっています。この分岐が分からなかったというネットの記録があったり、山の家から新道に出るのに沢を下り過ぎて迷い途中で新道に出るのに大変な目にあったという小屋ノートへの書き込みもあったのですが、それらは極端な経験のようです。

百間洞山の家

 大沢岳下部の分岐から大斜面をトラバース気味に下降しますが、一度だけ地図上では判別できない尾根を顕著に乗越します。そこは地図上「見晴峠」と記されています。さらに降下すると沢にぶつかります。小屋から延びてきているホースがあるので、ここで今晩と明日用の水を確保します。小屋横に水が流れているのが見えますが、小屋上流に大きなテント場があってのことと思い、閑散期で衛生上の影響はないでしょうが念のため清浄(であろう)な水を得たのでした。沢から少し登ると小屋の全貌が見えてきました。寒々とした夕暮れに佇む小屋は塩見岳の展望が得られる2階の窓が閉まったままですから、今夜の宿泊者は独りのようです。


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