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鳳凰三山縦走(白鳳峠から地蔵岳〜観音岳〜薬師岳)
2009/ 9/13〜14

(2日目)


 9月14日(月)


北岳 (奥に間ノ岳)

 まだ日付けが変わっていないうちに鹿が鳴く声でいったん目覚めた。少し遠いところで鳴いているようだった。また、意識が遠のき再び熟睡したが、テントの直ぐ近くで鹿が「キィーン」と大声で鳴き、びっくりして目がいっぺんで覚めてしまった。鳳凰小屋の周囲は樹林に囲まれていて、どこに自然の動物が出てきてもおかしくないところではある。

 まだ4時にもなっていないというのに、学生たちも、隣りの人たちももう撤収作業に掛かっていて、お隣りの女性2人+男性1人グループは4時半には出発して行った。今日は本当は5時出発予定だったが、あまりにもシュラフの中が暖かくて気持ちよく、結局4時半起きの5時半出発になってしまった。朝のテント内の気温は7.6度であり、外気はもっと冷え込んでいた。


観音岳

 鳳凰小屋から近道を取って、急な斜面を稜線に向かう。観音岳が見え始めるともう登山者がちらほらすれ違うようになる。今日も天気は最高!観音岳の頂上から北岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳を始め、富士山、八ヶ岳はもとより、北アルプスの山々もはっきりと見える。花崗岩の岩屑が白砂のように堆積している歩きやすい登山道脇には、咲き終わったタカネビランジがあちこちにあって、花の季節であったらどんなに素晴らしかっただろうと思う。


薬師岳

 稜線のハイマツ帯を淡々と歩いて薬師岳を越え、薬師小屋に向かって樹林帯に入ると、なんとそこには旬なオヤマリンドウが咲いている。これで今回の目的の一つはかなえられた。薬師岳から薬師小屋を過ぎ、砂払岳を越えシラビソの樹林帯を下ると、熊よけの鈴が聞こえる。南御室小屋に着くと熊よけの鈴を鳴らしていたのは、鳳凰小屋で隣にテントを張っていた3人のうちの女性だった。全員オスプレイの色違いの同じ大きさのザックを背負い、スタイルも決まっていて、熊鈴を鳴らして歩くという勘違い?を除けば、明るく楽しく頼もしくカッコイイ若者たちという感じであった。


オヤマリンドウ

 でも待てよ。この人たちは1時間も前に出発していたはずなのに、歩みは遅くないだろうか。夜叉神峠登山口12時過ぎのバスに乗るが、それにこのままでは間に合わない、ピッチを上げようと先行していったが、苺平で追い抜いた。杖立峠で5分ほど休憩したのち、夜叉神峠まで直行し、ガスがかかって展望が利かなくなった夜叉神峠小屋で、休憩していたおじさんと話していたら15分遅れで下りてきた。自分もほとんど休まずピッチを上げて歩いてきたので、この間のコースタイム3時間余を2時間30分ほどで歩き通した3人は、まだスタミナ十分という様子だった。


南御室小屋

 苺平から少し下って樹林帯が開けた標高2420m付近はオヤマリンドウの群生地であった。しかし、すでにどれも枯れていて花柄しか残っておらず、しかも鹿の食害だろうか、半分は花柄が残っていなかった。当初、膝の痛みを心配しての歩きではあったが、いつの間にかそのようなことはすっかり忘れ、予定より1時間も早く夜叉神峠登山口に下りると、ガスが取れて再び初秋の真っ青な空が広がっていた。


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