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GPSと地図は相反・対立するツールか?

  山においてGPSを必ず携帯しなければならないというようなものではない。そのような決まりはない。しかし、だからといってGPSの利用を不要とする論にも与しない。なにも山は集団で登るだけのものでもない。最近は団体に所属することなくソロで歩く者も多い。そうすると、自分自身がリーダーでありメンバーである。ソロ登山でいかに安全に快適に楽しく山を歩くかというと、地形図とともに文明である利器のGPSの有効活用が重要な要素である。このことが二律背反するものではない。意味のないGPS不要論はさておき、それぞれの置かれた立場で必要なツールを必要なときにその目的に応じて使うのが良い。紙の地図も、今はその作成にGPSを利用していることを忘れて、(目の前で見る)アナログという地図(だけを、あるいは主に)を利用することがいかにすぐれているかというような話に意味はない。

 自分が十分に知悉したフィールドでは、GPSは必要ないかもしれない。しかし、南船北馬の山登り、(日高という)異境を歩くときのGPSの効用などにおいて、その利便性には比類がない。そもそもリーダーだけが(あるいは一部の者が)読図できればいいというのであれば、それはひいてはガイドを伴ったツアー登山に通じる。「老少年」は、どのようにGPSと地図をコラボして使っているのか、お示ししたい。地図とGPSを使って机上のプランを立ててみるのも面白い。


 以下の3枚は、エサオマントッタベツ岳〜カムイエクウチカウシ山縦走時に持参し、縦走後にメモを書き加えた地図である。


@ 札内JP〜1917m


A 1917m〜1737m


B 1917m〜コイカク


 以下は、山の計画を立てるための地形図と+GPS利用のコラボレーションである。本当に地形図とコンパスだけで足りるだろうか。これにGPSを加えると心強いことこの上ない。赤丸の数字とピン+標高を記入したところはGPSのウエィポイントと一にしている。GPSの画面だけではディスプレイのサイズから全体を俯瞰することはできない。地図だけでは,現在地を見失とうどうしようもない。すると、ウェイポイントを地図上に落としておけば対比しやすく、確実な把握が可能である。このプランでは、カムエクからペテガリ岳東尾根コースを下山することになっている。コースの方向を指し示すとともに要所要所の上り下りの標高差がメモで分かると、先のめどがついて気力を維持しやすい。


七ノ沢出合〜1573m


1444m〜1760m 


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