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カムイエクウチカウシ山〜コイカクシュシュサツナイ岳縦走
2009/ 7/27〜7/31


1700mへのカール壁でお食事中の親子(午後)


 2日目(7月28日)


八ノ沢カールのmyテント

 一晩中雨は止まなかった。テント内で聞こえる水の流れの音も激しい。今日は、ガイド登山のメンバーが上がってくる予定の日だが、よくて八ノ沢出合で停滞だろう。10時を過ぎ、雨からガスに変わってきた。このまま一日をテントの中で過ごすのも芸がない。明日の天候によっては縦走を諦め、下山を考えなければならないのかも知れない。ならばカムイエクウチカウシ山とピラミッド峰をそれぞれ往復してこよう、時間はたっぷりあるとゆっくり出発する。(10:40)


カールバンドを背にして


ピラミッド峰への途中から八ノ沢カール


ピラミッド峰へ向かう

 ピラミッド峰の北東斜面では、ヒグマが1頭、悠然と草を食んでいる。いい眺めである。登山道には湧水が流れている。明日、1823峰に向かうのなら、ここで水を取れば楽ができる。まず1700m(11:10)に上がって、まだ雪の残るトラバース道をピラミッド峰に向け歩く。ときおり空が開け、ピラミッド峰がその勇姿を現す。登山道の草やハイマツなどの潅木が十分すぎるほど水を蓄えているので、おNEWの合羽を着て歩くが、さっそくハイマツの枯れ枝でズボンがかぎ裂きになる。


咲いたばかりのエゾツツジ

 ヨツバシオガマ、ミヤマダイコンソウ、エゾツツジ、ミヤマリンドウ、ミヤマキンバイ、シナノキンバイソウなどの花々に見送られて、念願のピラミッド峰の頂上に着く。(11:55) NHKが2001年に取材したカムイビランジはこの山で撮影したはずと、目を凝らすが結局登山道からは見ることができなかった。とある岩場で見つけたたった一塊のカムイビランジはまだ開花には早く、今回の「やま旅 はな旅」の大きな目的であった、その華麗なピンクの花にお目にかかることはできなかった。


固有種「カムイビランジ」はまだ蕾

 ピラミッド峰から1700mに下り、カムイエクウチカウシ山の登りに取り付く。耳が痛くなるほどの冷たい風が吹き付ける。それでも気温は12℃もある。帽子が飛ばされないようにと耳の防寒を兼ねて帽子の上から愛用の「もってこタオル」で耳を覆う。なお、今回は不順な天候対策としてORのイアーバンドとヘリテイジのゴアテックス製防寒手袋も持参したが、これらを使うほどではなかった。


カムイエクウチカウシ山への途中で ヨツバシオガマ

 
展望のないカムイエクウチカウシ山頂上直下のテントスペース


1700mからカムエクの裾 奥に1903m

 1年ぶりのカムイエクウチカウシ山の頂上に立つ。(14:50) 頂上直下のテン場からエサオマントッタベツ岳へと続く道は、通う者も少ないと見えハイマツに覆われている。しばらくの間頂上で待つが、ガスでいつまで経っても展望がきかないので頂上を後にする。咲き残ったチングルマのある花畑から切り立った稜線を越え、1700mの分岐に着くと、今度は子連れのヒグマがピラミッド峰の北東斜面で草を食んでいる。なんとも言えない北海道の山らしいのどかな光景である。ただ、子連れの熊であることや距離があることから、余分な刺激を与えないように熊鈴を鳴らすことなく、静かに脇の登山道をカールへと下りる。(15:35)


ペグで持たない風雨のときのための岩石ネット


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