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エサオマントッタベツ岳〜カムイエクウチカウシ山縦走
(2010/ 7/30〜8/ 4)

[八ノ沢カール〜八ノ沢出合〜札内川ヒュッテ]

八ノ沢の源頭の流れ


 8月4日(6日目) 


どんどん下る

 午後2時までに札内川ヒュッテに下りる必要がある。追われるように雨も降りてきた。テントを撤収し、朝の冷たい源頭の水を口に含んで沢に向かう。源頭からしばらく下りたところで、彼方に単独男性が登って来る。だんだん近づいてくると、鮮やかな色のシャツをまとった人であり、八ノ沢出合での救出騒ぎがあったばかりのカムイエクウチカウシ山を登る単独の人は、「学生さん」かなと思っていた、その人はホームページ「オジロワシの空の下」の「たかさん」であり、思わずうれしくてなつかしくて「千歳のたかさんですか。」と声を掛けてしまった。たかさんが差し出した手を、がっちりと握る。遭難事故が続いている厳しい時期の日高山脈、カムイエクウチカウシ山での男と男の挨拶であった。


カールからの下り方を間違えると左手の流れに出てしまう

 たかさんは、減水を待つため1日待ち、今日登ってきたと言う。「腰まで水に浸かりました。」という情報であった。たかさんと別れて、緊張続く沢を慎重に下りていく。それでも登山靴というハンディは、ぬめったり湿ったりした岩で滑ること多数、一度は完全にこけてしまった。しばらくすると、女性ばかり4人をメンバーとする登山ツアーグループが登ってくる。男性ガイド2名がサポートしている。


登りの際、この場所では岩場を上がらずピクテープ(は残っているかは保証の限りではないが)のところの藪に入る

 プロトレックの高度計で1140m付近に、シャワークライミング(ダウン)が必要な岩場(10mほど)がある。そのまま慎重に下降するが、右岸の根曲がり竹笹の藪に太い倒木があって、これを踏んで下りる手もある。そのままこの岩場を下り。下りて振り返ると右岸にの若木にEMC名の赤テープが括られていて、そこから直登りし、この岩場を回避している。


三股と雪渓

 三股をやり過ごすと、もう緊張を強いられる場所も少ない。雪渓を過ぎると、右に左にと巻きながら歩く。今回の増水の跡は想像を超える広がりを見せている。水かさも相当程度のものであったろう。八ノ沢で渡渉できずにいたツアー登山者が救助を求めた状況は理解できる。 


八ノ沢出合のテント場

 八ノ沢出合のテント場に一張りのテントがあった。エスパースの6〜7人用であった。これにガイド2人とメンバー4人が泊まるのだろうか。このテントのスペースでは一人当たりの幅は50cm?60cm? 悪天候のときに限らず、私なら我慢なりません。さらに暴風雨等での停滞も前提としているのなら、さらに居住環境は劣悪と言わなければならない。


八ノ沢出合で本流と合流する(右が札内川)


中ノ沢先の渡渉点 股下までの深さがある。

 札内川の流れが相当程度減水したと言っても、八ノ沢出合から中ノ沢に至る間の渡渉(N42°40′18.35″ E142°48′35.85″標高658m)では、どうしても腰辺りまでの流れを渉らなければなかった。登山靴の中を濡らさないようにここまでがんばってきたが、この先数回の渡渉を考えると登山靴を履いたままの方がいい。ままよ!流れに入る。


浅いが長い渡渉

 どうにか七ノ沢出合に近づいてきた。最後の七ノ沢の流れを渉ってザックを河原に置く。そしてカムイエクウチカウシ山に向かって「ありがとう!」と挨拶する。本当に無事に下山することができた。安堵で開放感一杯である。


登山者のための道路整備で助かります

 七ノ沢から林道に出ると、男性2人が歩いてくる。八ノ沢出合でテントを張り、明日カムイエクウチカウシ山を往復すると言う。「カムエクに登ってきたの?」と問われたので、沢の状況などを話す。同行の人が、「私が登った山々の写真 from 中標津」の管理人さんであることは後ほど知る。このホームページには、ピンクの花の素晴らしい写真が貼り付けられている。

 綺麗に整備された林道をもう少し歩いていくと、女性だけの10名近いグループがガイドの案内で歩いて来る。ガイド氏や女性から「どうでしたか。」と問われたので、「いい山でした。1か所だけ深いところがありましたが、もうなんともなくなっていますよ。」と安心感を与えたつもりが、一人の女性の顔付きが変化したところを見ると、言うべきことではなかった、ごめんなさいと心の中で反省する。それにしても、カムイエクウチカウシ山は女性ばかりの山である。「いいな、ニッポンの素晴らしい女性たち。日高の山を十分に堪能してください。」


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