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南東斜面は秋の花でいっぱい 北岳
2008//3〜4


 9月3日

  不順な天候が長く続いて、秋の山登りが思うに任せない。平地でさえ毎日のように暗雲が立ち込め、雷が発生していることから、山の上ではさらに悪天候になるだろう。夜叉神峠に設置されたライブカメラの映像は、横殴りの雨を映し出している。

 でも、もう2週間も体を動かしていない。多少の雨なら登ってやろうと、深夜、芦安の駐車場に着くと、停まっている車はわずか3台だけだ。仮眠を取って朝に備える。ただ、天気予報に反し、夜空には満天の星が輝いている。
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 狭い車内での3時間ほどの仮眠の後、午前5時にアラームで目を覚ます。朝焼けが始まっている。午前中は持ってくれそうだ。携帯電話で国土交通省の防災情報提供センターのレーダー雨量を見ると、北岳周辺に顕著な雨雲はない。

 タクシーで広河原まで行くが、途中、北岳や間ノ


岳がはっきりと見える。今日はいい山登りができそうだ。今日のバスもタクシーも、乗客はまばらで、静かでいいなと思ったら、貸切のタクシーで2つのツアー登山者が先行していた。

 大樺沢でこれらのツアー登山者に追い付き、香港からのグループを追い越す。二俣までにヤナギランやタカネグンナイフウロ、ハクサンフウロ、ミヤマハナシノブなどが目に付く。毎年見ているここのミヤマハナシノブは、見事な群落をなしていて、別に珍しい風景ではなくなったが、ものの本によれば、(本州では)北岳と白馬岳にしか咲かないと言う。(山梨日日新聞社「歩きながら覚える北岳の高山植物」)

 タカネグンナイフウロも北岳で好きな花の一つだが、ミヤマハナシノブが咲く草むらの中に、一株だけ白花のタカネグンナイフウロがあった。シロバナタカネグンナイフウロとは始めての対面ではあった。

 

 八本歯ノコルに出る尾根に取り付く前に、沢水を汲んで少しザックを重くして、あえぎながらコルに出る。コルでは、この時期には少し遅いが、いつものようにタカネビランジが迎えてくれる。

 濃いガスがかかってきた。


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