[ＨＯＭＥ]　[２日目]　　　　

仙塩尾根（せんしお）テント泊縦走（塩見岳を目指すが・・・）
仙丈岳〜熊ノ平小屋〜間ノ岳〜北岳
（２０１０/　９/２０〜２２）

■　９月２０日（１日目）　■

仙丈岳〜大仙丈岳〜高望池

　仙塩尾根をやりたいという山仲間のＹさんの理由の一つは、熊ノ平小屋に泊まってみたいということだった。そして北海道から毎年海峡を越えて遠征し３００名山を完登した「一人歩きの北海道山紀行」のsakagさんが熊ノ平小屋から塩見岳を日帰りで往復していることに刺激を受けて温めていた仙塩尾根テント泊縦走。休みは確保したが、前線が南下してくるという予報なので、途中でのルート変更を考えながら芦安に向かう。

森林限界を越えて甲斐駒ヶ岳を見る

　芦安市営駐車場で始発のバスに乗り広河原に向かう。北沢峠行きの長谷村村営バスに乗り換え北沢峠で満員のバスから開放される。ゆっくりと身支度を整えてから仙丈ヶ岳へと登り始める。水４．５リッター、ワイン、ビールを詰め込んだテント泊縦走装備のところに寝不足と急登が加わって相当辛い。だましだまし、そして喘ぎながら大滝頭五合目を過ぎ、大勢の登山者が休憩する小仙丈岳に着く。

小仙丈岳から仙丈岳を見る

　馬ノ背ヒュッテを右に、小仙丈カールを左に見ながら仙丈岳に近づく。眼下に見える仙丈小屋や稜線の雰囲気がいいからカメラに収めようとデジカメを取り出したときに、カメラは手から落ちて岩に激突し、使い物にならなくなってしまった。まだ始まったばかりなのに・・・。携帯電話があるじゃないか。気を取り直して仙丈岳の頂上に立つ。

小仙丈岳から仙丈岳への稜線で

　仙丈岳の頂上から見る大仙丈岳はどっしりしている。未知の尾根を歩く軽い興奮を覚えながら大仙丈岳に向かう。岩とハイマツの稜線を左手に大仙丈カールを見やりながら進む。カールを下って大仙丈沢に沿う踏み跡が見える。仙丈岳の周回コースとして利用されているのだろう。大仙丈岳からの下りで若者とすれ違う。「どこから来たの？」と問うと「塩見岳から。」と答える。寡黙だが、その中に自信のようなものが感じられる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（これからの画像は携帯電話によるものです。）

仙丈岳から大仙丈岳への稜線

　鞍部から低木帯に入り２７５５ｍからの登りではツガザクラ、エゾオヤマリンドウやチングルマの植生となり、しばらくリンドウの花がらやチングルマの綿毛が登山道脇を彩る。その後は樹林帯のプロムナードをただただ歩く。伊那荒倉岳への登りの手前に、半湿生の草地の苳ノ平（ふきのたいら）があって、マルバダケブキが群生しているとのことだったが、地名表示の板があったところは疎林となっていた。

この樹林の間を縫って歩く

　今日は前夜自宅を出てから長い長い一日だった。ようやく伊那荒倉岳に着いたのは、もう午後４時近くになっていた。早くザックを下ろしてテントを張りたいと、樹林帯を下ってようやく高望池に着く。祝日なのでほかにいるのかなと思っていたが、この場でのビバークは一人のようだ。急いでテントを張り、次にすべきことは缶ビールのフタを開けることである。そして次はワインを入れたカップに口をつけること。驚くことに携帯のアンテナが３本、しっかり立っているのでメールを打つ。睡魔に襲われる。濡れたシャツのままテントに横になって寝てしまう。

　
高望池

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【仙塩尾根　水場・テント場・携帯通話状況】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　倒　木：登山道の倒木は、ほとんどが綺麗に整理されていて支障となるものはごくわずか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　水　場：高望池から長野県側に向かって踏み跡がある。斜面を下ること２分で水場着。山腹から滔々と湧き
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　出ている。なお、テント場の直下の水場であり、煮沸して利用するのがいいかも。登り３分あれば可。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　幕　場：仙丈岳〜三峰岳の間に指定のテント場はない。なお、ビバークポイントはところどころにある。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　携　帯：ほとんどどの場所からもＦＯＭＡのアンテナが立ち、メールが可能。ＮＴＴドコモが２０１０年６月、北岳
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　に基地局を設置したことによる効果。
　

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