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ラッセルしてくろがね小屋から下りる
2012/ 1/29〜30
東北道安達太良SAから
■ 1月30日(月) 2日目 ■
震えて目覚めた体に朝の温泉は最高の心地よさです。体が温まったので、メスティンでお米を炊き朝食の準備です。ゆっくり食事をしていると安達太良山頂上へ行く5人は順次出発して行きます。小屋の窓からその様子を見ていると、スノーシューの2人は、最初の傾斜で難儀し、スキーの先行者がしばらく待っています。
小屋番さんに出発のあいさつをすると「下るのも相当大変だから気を付けて下さい。特に勢至平までは相当のラッセルを覚悟してください。」と注意をいただきます。小屋の外に出ると、気温はマイナス10度ほどですが、風は強くなく雪が舞うだけです。
小屋からすぐの斜面
小屋から200メートルほど過ぎると斜面になります。昨晩の降雪はそれほどでもなかったのでしょうが、吹き溜まりとなっていてトレースをストックと足で探りながら進みますが、少しでも外れるとズボッと体ごと沈んでしまいます。小屋を出たのが午前8時30分ですから、たったこれだけの距離に30分もかかってしまいました。そうこうしている間に、スノーシューの2人が頂上をあきらめ引き返してきたようです。「ラッセルを代わりましょうか。」とのことなので、即座にお願いしました。
こんなに深い〜 1時間のラッセルは私一人で♪
ところが、スノーシューと言えど、ふかふかの深雪にスノーシューも何もあったもんではありません。一人がトレースを外して深く埋まって転倒しなかなか起き上がることができません。雪の下のトレースは斜面のもう少し上にあったのでした。それを探し当てワカンの私が先行します。フカフカの雪なので踏み置いたワカンを容易に持ちあげることができます。斜面を抜け出すと意外と早く進むことができます。それでも、いつまでも先頭でラッセルをすると疲れますが、諸事情で(最後まで)先頭を歩きます。
まだまだラッセルは続く
大きな吹き溜まりであっても、雪の下のトレースを探しながら行くので突破する必要があります。視線は遠くに、足は逆「八」の字に、ストックは足のすぐ脇を突きながら固いところを探ります。
勢至平を抜けるとようやく吹き溜まりがなくなり、前日のトレースに15cmほどの新雪が乗っているだけなので、気を緩めます。ラッセル時の休憩で後続の人が、「安達太良山も放射能汚染が喧伝されているね。この雪にも放射能が含まれているのかね。」と言って雪を一杯手に掬ってほお張る。「うまいなこの雪。」とにこにこ話す様子は嬉しそうです。このような成熟した大人の姿を見られて惚れ惚れします。ここからはもうランニング状態で登山口であるあだたらスキー場の登山口まで進みます。
ようやく解放される
寒さ対策で、ウールのロングスリーブシャツを重ね着し、ゴアのアウターを着たので、このころには汗をたっぷりかくようになってきました。そういえば「綿あめ」を食べ損ねていました。降り積もった雪を手で掬って食べます。汗をかいた体にはこの上なくごちそうです。夏用のキャップにフリースのイヤーバンドをしていることから頭も汗だらけですが、速度を緩めることなく進んだ結果、2時間弱でスキー場に着いてしまいました。楽しみは熱めのお湯の「岳の湯」に入ることです。
あとは下るだけ
スキー場に停めていた車は雪だるまになっていました。スタータを回すとボンネットの中で、「ボコーン」と音がしてエンジンが始動します。ファンベルトに付着した氷でも噛んだようです。ステアリングを回すと「ギュギュ、ギュギュ」と異音がします。どこかのゴムが膨らんで摺動音を出しているようです。車もこの寒さには参ったようです。岳の湯で体を温め、汗を洗い流してから自宅へと戻ります。融雪剤にまみれて真っ白となった車の走行距離は約1,300kmでした。
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