TOPに戻る<北海道の山に戻る


 北国の春を飾る星置緑地 マクンベツ湿原 北大植物園のはな達
(2004/4/18)


 マクンベツ湿原


石狩川河口マクンベツ湿原のミズバショウ

北海道の“やま旅 はな旅”の季節がようやく巡ってきた。どんよりとした日本海側の特有の気候にもお別れであって,あれほど積もっていた雪もいつのまにか消えてなくなり,若者はとうの昔にコートと引き替えに春の装いをしている。3月末にはクロッカスの花が咲き,チューリップは蕾を膨らませている。輝かしい2004年の“やま旅 はな旅・北海道”の幕開けである。


湿原に板が渡されているところがあるがそこまでは長靴がなければ沈没

2月の様似町から見た,南日高最南端の山腹から上には雪があるが,海岸沿いには早くも春の陽気を感じさせる場所がある。浦河町西舎の優駿ビレッジ「AERU」を西に折れて浦河市街に向かうところに雪に埋もれた牧草地がある。北側が山裾となっているが,山裾は冬の太陽の熱をしっかりと吸収して保温し,天然の温室効果があるようである。

 札幌はまだ冬の最中だと言うのに,ここはまさに春である。カシの木の下にはすでに花期が終わり種子を持ったフクジュソウもある。遅れてはならじと,フキノトウもフクジュソウに寄り添うように体を膨らませている。


果てしなく広がる湿原に無限のミズバショウが咲く

3月下旬,平取町沙流川の岩場のソラチコザクラは早くも花芽を付けている。4月の様似林道ではショウジョウバカマが遅い雪に凍え,ルシチの岩場ではヒダカイワザクラがわずかに花芽を見せている。花期にはエゾオオサクラソウで登山道が埋め尽くされる様似山道ではギョウジャニンニクが早いものは食べごろを迎えている。


 都市空間の別天地 星置緑地


周囲は完全な住宅地

井寒台森林公園ではカタクリが花期を迎え,エゾオオサクラソウがすっかり芽吹き,判官館森林公園ではキクザキイチゲが風に揺れ,千歳の林床ではナニワズ,フクジュソウ,エゾノエンゴサクが満開となりトケンランとコケイランが芽吹きの準備を整えている。


オシドリが遊ぶ

星置緑地はJR星置駅から歩いて5分ほどの住宅街の真中にある。適度な樹林があり,少し離れた南側斜面からの湧水が緑地に湧き出ているという条件から,湿性植物の生育を容易にしている。4月25日の星置緑地ではミズバショウが盛りを迎え,キクザキイチゲ,アズマイチゲ,エゾノリュウキンカがその周辺を彩っている。


緑地にはさまざまな春の花が咲く

紫色のキクザキイチゲは多くないが,星置緑地では20株ほど咲いている。望遠機能のないデジカメだろうか,女性が「道がついているから入ってもいいんだよね。」と回りの仲間に大きな声で話しロープの中に入って行く。どうしても撮りたくて人が見ていなければ自分も入るかもしれない。


 北大植物園


開拓期からの表土が残る北大植物園

実際,野山で花を見るために花を踏みながら歩かなければならない場合もある。でも,星置緑地の花は札幌市内の住宅地に少ししか咲いていないから,みんなに踏まれるとなくなってしまうのじゃ。


ただこの花は園芸種と思われるが閉鎖されていて確かめる術がない

オタマジャクシをすくって遊んでいた子供が,遊びに飽きてビニール袋をミズバショウの咲いているところへ捨てたので,「ぼく,ビニール袋,捨てないでもって帰ろうね。」といったところ,「はい。」といって去っていった。しばらく緑地内を散策して車に乗ろうとしたら先ほどの子供がお母さんと道路を歩いている。その手にしっかりビニール袋を握っている。大人の子供に対する影響がなんと大きいことなのだろうか。


アップで見るとこのような花

石狩側河口マクンベツ湿原には,ミズバショウの大群落が広がっているとの噂に車を走らせてみると,そこは延々と広がったミズバショウの楽園であった。

湿原の中央に向かって敷設されたすでに朽ち果てようとしている足場までたどりつくのには長靴が必要であるが,足場の尽きる先まで足を延ばしてみると,ミズバショウがあるがままに群落をなしていて,その規模はまったくの想像外である。


TOPに戻る<北海道の山に戻る