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南御室小屋でテント泊
(2011/ 9/ 9〜10)

1日目


 9月 9日(金) 曇り時々小雨のち晴/無風 

 台風12号の影響で林道南アルプス線に崩壊が見られたことにより、山の神から広河原まで通行止めとなっていましたが、前日8日に夜叉神までが開通したので、予定どおり南御室小屋でのテント泊に向かいます。このコースはゆっくり歩いても5時間もあればいいし、登山口までマイカーを乗り着けることができるので、自宅を午前5時ごろに出ます。車を運転しながら、「いつものザック(75リットル)なのにパッキングした際にすき間があったなぁ。」と不安が頭をよぎったので、車を停めてザックをあらためるとシュラフが入っていませんでした。そんなわけでいったん自宅に戻ってふたたび幹線道路に乗ると、もう朝の渋滞が始まっていて、結局夜叉神の森の登山口に着いたのは、午前9時になってしまったのでした。


カラマツは裸になっています

 平日なのに、夜叉神の森の駐車場は半分が埋まっています。この時間ですから登山の準備をしている人が2〜3人いるだけで、静かです。カラマツ林の中の登山道をゆっくりゆっくりと歩きます。先の台風でカラマツの枝が大量に折られてまるで疎林のようになっているので、登山道は明るくいい感じです。登山道脇にはいろいろな看板が掛けられていますが、そのうちの一つの「花を折らないで」というものはなかなかの味を出しています。ただ、夜叉神峠までの間に見かけた花は、鹿の食害で矮性となってしまったフシグロセンノウが3株だけで、折られるほどの花がないのが寂しい限りです。


道中たった一輪のキバナノヤマオダマキ

 夜叉神峠までは歩幅を小さくして体を慣らしながら歩いたので、1時間を超えてしまいました。期待していた白峰三山は、ガスに覆われて展望が得られませんでした。駐車場を先に出発した2人が木陰のベンチでコーヒーを淹れています。ベテランの方々のようですが、今日は夜叉神峠までの往復だそうです。登山地図を出して「ボーコンの沢の頭からの「霊峰ルート」がいいですよ。」とお薦めのルートを教えてくれます。夜叉神峠を出発して、次に杖立峠を目指しますが、「霊峰ルート」が気になります。富士山を見ながら歩くルートかなと勝手に思っていましたが、下山後調べるとそれは「嶺朋ルート」であり、山梨県の山岳会「嶺朋クラブ」が登山道の手入れなどを行っているルートのようです。


間もなく焼け跡

 さて、杖立峠まで順調に来ました。見通しの利かない樹林帯の登山道を休むことなく淡々と前に進みます。間もなく樹林帯を抜けるようになると、これまで積雪時には気付かなかった登山道の様子に驚きます。意外とゴロゴロと岩が転がっています。そろそろ焼け跡ですが、楽しみにしていたリンドウは、やはり時期遅れでした。すでに花柄は茶変しています。焼け跡から白峰三山の眺望が得られるはずですが、濃いガスが流れて来て雨を降らせます。
ザックにカバーを掛けて傘を差して歩きますが、たいした雨にはなりませんでした。


今宵の我が家はスタイリッシュ

 焼け跡からしばらく歩くと傾斜が少し急になります。しかし、それもすぐのことで、間もなく(とは言っても1時間半は歩きますが)苺平です。また雨が落ちてきました。それでも天気予報は午後からの好天を約束していますので、多少濡れても平気です。辻山に寄ろうと計画していたのですが、展望が利かないのに行っても意味がありません。南御室小屋を目指して歩きます。もう少しで小屋というところ(小屋まで60mと書いてある。)で木が広範囲になぎ倒されてポッカリ開けた場所があり、そこでは携帯電話が使えますので、行程管理人にメールを打ちます。


トリカブト

 小雨が降り続く中、小屋に着きました。小屋の受付には女性が2人いますが、一人がもう一人の髪を梳いています。今の日本ではなかなか見かけない光景です。「こんにちは。」と言って中に入ると受付の女性も「こんにちは。」と言いますが、それ以上の言葉は返ってきませんので、「テント場を使わせてください。」と申し込みます。テント場には、既にテントが一つ張られています。一番小屋に近い適度に斜度の付いた水はけのよさそうなところにテントを張ることにしました。雨が降り続いているので時間との勝負です。手際よくテントを立てていったん中に入って止むのを待ちますが、ビールや日本酒やワインはどうしても冷やしておかなければなりません。雨に濡れても構わないので、水場に行って流れの中に浸けておきます。


南御室小屋

 1時間もうたた寝していると、テントを叩く雨音がしなくなっています。爽やかな青空が広がっています。水場からアルコールを引き揚げてきました。ベンチで、「なでしこ」のロンドン五輪出場決定のニュースがメインの新聞を読みながら時間を過ごします。小屋には次々と登山者が到着してきます。テント場にも3張り、最後にお隣の国のご夫婦が大きなテントを張ります。小屋の前のベンチはサロン化してきました。黄昏どきの山小屋はいい雰囲気になってきました。


往  路 所要時間 場      所 復  路 所要時間
0850 夜叉神峠登山口 1200 00:30
0955 1015 01:05 夜叉神峠 1130 1115 00:45
1135 1135 01:20 杖立峠 1030 1030 00:55
1300 1300 01:25 苺平 0935 0935 00:25
1330 00:30 南御室小屋 0910 0655 00:40
      薬師岳 0615 0450 00:50
      南御室小屋 0400    
総所要時間 04:40 総所要時間 02:50

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