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ボス猿に襲撃されて 三ッ峠山
2009/ 6/18


  6月18日  


絶滅危惧種 クサタチバナ

 西川新倉林道から登る木無山のお花畑に興味がそそられて河口湖から「御坂のみち」を三ッ峠登山口に向かう。西川新倉林道は工事のためゲートが閉じられているので、三ッ峠山荘に通じる登山口の駐車場に車を停めて林道を歩く。しばらく歩くとたくさんの猿がいて、アスファルトの道は猿が垂れ流した尿が幾筋にもなっている。ほとんどの猿は木立の中に逃げていったが、木立の中にいたボス猿がギャーギャーと喚き、歯をむき出しにして襲い掛かってくる。

 このボス猿はマジに戦闘モードだ。手にするものは何もないので、威嚇には威嚇で応じて見るものの、対峙する距離は近くなるばかりだ。もうあと1m、こうなると脚で蹴りつけるしか方法はない。ボス猿は興奮のあまりなのか尿を垂れ流しながらなおも襲ってくる。こちらも「●×▲◎■%」と大声を上げながら空キックを繰り返す。どうにか距離がとれたので、ボス猿を見ながら後ずさりをして離れることができた。帰りもこの林道を通る予定なので、途中でしっかりした木の枝を見付けてキープしておく。


ユキザサ

 母ノ白滝からの登山道に出合うので、木無山に向けて登る。まだ花の咲かないギボウシと純白の花を咲かせる絶滅危惧種に指定されているというクサタチバナが登山道脇を彩る。中腹でこれまで見たこともないような草丈のユキザサが密生している。草原はアヤメの花とギボウシの葉で覆われている。 

 最初の予定では元の道を戻るつもりだったが、またあのボス猿と会うのも嫌なので、三ッ峠山荘から駐車場に下りる道に出ようとすると、ザックに異変を感じる。命の綱、我が山の友のGPSがない。そういえば、ザックに留めていた紐を解いたままサイドポケットに入れていたんだった。もうすぐ日高の山に入るのに、この出費は痛い。もと来た道を丹念にたどることとする。登山道で落していれば何らかの音がしたはずだ。ユキザサを写すのに藪に入ったからあそこだろうか。


よかった!

 足跡をたどると、案の定、傾斜でスリップした藪の中にGPSが落ちている。あれほどの闘志を燃やして配下を守るボス猿とは再び対面したくないので、木無山に登り返し、荷揚げ用の四輪駆動車が無残にもえぐり取った登山道を淡々と下りる。背丈ほどにえぐられている頂上まで続く登山道は、山小屋の既得権でさらに井戸ほどの深さまでえぐられていくのだろう。
 午後2時40分から登った木無山、下りると夕暮れも近い。甲府を抜けて清里に向かう。真っ暗な海ノ口自然郷別荘地の駐車場へと向かう。


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