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ヒグマにも遭いました! カムイコザクラ咲くフラワーロード
ヌカビラ岳〜北戸蔦別岳〜七ッ沼縦走
2007/6/19〜20

(総括)



カムイコザクラ


危険な渡渉、高捲き、へつりをくり返し、そして、ブッシュや虫との格闘。
緊張の連続、そんな日高の山にも素晴らしい場所がある。
稜線付近に点在するカール群、とりわけ幌尻岳と戸蔦別岳の中間に位置する
七ッ沼カールは有名である。
山影を写す七つの沼と咲き乱れる高山植物と・・・・。
まさに楽園という言葉がぴったりする。
以前はこの地に露営するのが岳人のあこがれであった。
近年、多くの登山者を見るようになったが、いつまでも楽園七ツ沼であってほしい。


[山と旅 1969年7月号から]



幌尻岳の肩と七ッ沼カール

 今年も、6月に歩いてみたい北海道の山域は,なんと言っても日高の山と決めていた,「一人歩きの北海道山紀行」のSakagさんの山行記録を参考にして昨年,2006年6月,ピパイロ経由ヌカビラ岳まで行く予定で伏美岳に入ったが,悪天候のため伏美岳でテントを張って次の日に下山した。その計画は,レンタカーを借りて移動の足とすることの制約から,伏美岳からピパイロ岳を抜け、ヌカビラ岳に寄ってその周辺を探索して花見をしつつ、幌尻岳を3泊4日で往復するというものであった。

 昨年実現できなかった幌尻岳に再挑戦したいが,今年は仕事の環境がすっかり変わってしまった。その都合もあって、この時期、北海道まで行くにもかかわらず、1泊2日の日程でしか山に入ることができない。短時間で稜線に出て幌尻岳に登るためには,千呂露川を遡行する必要があるが,2005年の同時期の雪渓の様子からするとピッケルやアイゼンの準備も考えておかなくてはならない。また,千呂露川を遡行するということは,ギョウジャニンニクや蕗やセリ科の植物などが生えているヒグマの食料庫を通過するということであり,遭遇の確率も高い。     

 そこで,
@ 交通は
   前日羽田空港を料金の安いスカイマークエアラインズで発って,道内の移動手段としてMMCレンタカーでコルトを3日間で11,700円で借りることとし,

A 雪渓対策・天候対策として
   ピッケル,10本歯のアイゼン(ピッケルは持参を割愛),防水仕様の帽子,ゴアテックスの防水手袋,ひさしの長いモンベルのレインスパッツを準備し,

B ヒグマ対策として
   カウベル2個,ホイッスル,レスキューシート(これを広げるとヒグマは退散するらしい),格闘時用ノコギリを携行

C 山のトイレ対策として
   通常はトイレットペーパーを持ち帰るだけにしているが,我が聖地を汚したくないので携帯トイレを持参
することとした。


北戸蔦別岳頂上のテント場(1張り分)

 なお,林道はゲートが施錠されていることから事前に森林管理署に連絡し、入山時に鍵の貸与を受け,飛行機には一切持ち込めないカートリッジは、新千歳空港1階のJALの売店「Blue Sky」で購入し,食料は日高町内のコンビニエンスストア「セイコーマート」(24時間営業ではない)で調達した。

 現在,高速道路や道の駅でのごみの無秩序投棄が原因で,ゴミ箱が撤収されている。コンビニエンスストアーでも当然のごとく,店内消費の分のゴミしか受け入れないのが原則である。3日間のゴミも結構な量になるが,道内に拠点を持たない者にとってはゴミや携帯トイレの後始末の問題が顕在化してくるものと考えられる。

 北海道は経済の活性化対策として,外国人観光客の誘致に努め,国も,その一環としてこのほど,台湾からの来訪者に台湾の免許証で国内で自動車を運転できるようにすることとした。それはありきたりのお仕着せの観光ルートから外れて,広い北海道をレンタカーで移動したいという外国人観光客のニーズに対応する取り組みである。日本人が自動車で移動する際にゴミの問題に悩まされている以上,道外,国外からの来訪者に対するゴミ対策を執らないと,北海道の道路や休憩施設は将来,大きなゴミ問題に悩ませられることとなると思われる。

 それはともかく,せめて最低でも花の楽園,聖地七ッ沼での”ウンコ”は持ち帰りたい!山は縦走するのが好みであり、山の稜線か頂上でテントを張るのが最高のスタイルである。そういう視点からの山頂のテント場の第一位は北戸蔦別岳、第二位はペテガリ岳、以下北岳肩ノ小屋と続く。理由は、いずれも山の東斜面にテント場があることから、ご来光が見られることともに展望もよく、そして風が避けられるからである。


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