[HOME][フクジュソウの記録]

                         いま少し 大ドッケのフクジュソウ
                                      2008/ 3/ 9            

                               (お願い)  
 まだフクジュソウのほとんどが地面から顔を出していないこの時期に群落地を訪れる場合、蕾の踏みつけに注意しましょう。咲いているフクジュソウを写真に撮るために中に入ると、多くの蕾を踏みつけることになります。群落地の中央に南北の踏み跡があるのでこれを利用するか、周縁から撮るようにすれば踏みつけは防ぐことができます。地元の土地所有者が好意で開放してくれている貴重な場所です。毎年素敵な花を見ることにしましょう。


群落地の中を自由に歩く人


群落地のど真ん中、落ち葉で見えない蕾が踏みつけられている


群落地の中央には一本の踏み跡があるものの・・・。ザックの周辺にフクジュソウがたくさん見える


 今年は昨年に比べ気温の上昇が進まず、フクジュソウの開花が遅れているものと思われる。昨年はこの時期、お花畑が一面黄色に染まっていたことから、「もしや・・・」を期待してフクジュソウが咲く山に入る。快晴の山道を、それほど汗もかかず順調に崩壊地まで進む。その崩壊地の斜面に何本かの太い枝で道が塞がれている。崩壊地の手前では植林が行われていて作業をする人が入っているが、そこから結構歩く崩壊地にはフクジュソウの花見登山者以外は入り込んでいないようなので、登山者が置いたものだろう。


パラボラを思いっきり広げて春の光を集める

 今日の沢には新しい靴跡があり、群落地に登っている人が一人いるようだ。上りなのに足跡はずいぶんと大股で、相当急いで登ったのだろうか。稜線に出て脊稜にでも出て行くのだろうかとも思うが、群落地に近づくと、フクジュソウ群落地の真ん中で動く人影があった。あ〜、なんか苦手そうな雰囲気がするなとは思ったが、少し手前から、「こんにちは。」とあいさつをする。20代後半から30代の青年であったが、返事はない。チラッとこちらを一瞥したのちフクジュソウにカメラを向けている。


大樹に寄り添って

 今日の群落地は、前回の3月1日より開花は進んではいるが、それもちらほらだし、このまま長居は無用と、いったん上部に登って鹿道を横切り大木の周りのフクジュソウを見てから群落地の周縁を経て沢へと下りる。朝方の秩父市内の気温は5度程度だったが、午前11時過ぎの群落地の気温は13度にも上昇していて、全面開花状態となることが期待されるのには、あと10日ほど必要だと思われる。


フクジュソウが咲く群落地の地表はほぼ露出した

 群落地をあまりにも早く離れたものだから、日差しが差し込む沢の分岐で昼食を摂ろうと思っていたところ、7〜8人の集団が昼食の最中であった。仕様がないので、「こんにちは」と言って通り過ぎようとすると、「フクジュソウは咲いてたの?」「その沢に入ればいいの?」と、山道一杯に伸ばした脚を引っ込めようともせず、自分の聞きたいことだけについて言葉を発するおじさんおばさんに気後れし、足早に崩壊地へ向かう。


誰も乗っていません。いつも一人。 

 崩壊地先の陽だまりの暖かい山道に腰を下ろしゆっくり昼食を摂り集落に下りたが、それでもバスの時間までは1時間以上もある。高田馬場の古本屋で見つけた山の本(「K2 非情の頂」)でも読もうとバス停に向かい、寄ったトイレのベンチに腰を下ろしたら深い眠いに入ってしまった。バスの音で目を覚ますと運転手さんが「バスの中に入って休んでもいいよ」と言ってくれたので、その言葉に甘えてまた眠りに就く。行きも帰りも車内は自分一人だが、一日の乗客はそれでも5人ほどいるとのことであった。でもこのバスも3月末で廃止される。運転手さんの言葉は印象的であった。「○×の路線は、ほとんど客がいないが、そこは廃止にならないんですよ。ここは街に買い物に行くために乗る人が日に5人はいるのに・・・・。」


[HOME][フクジュソウの全記録]