[HOME][フクジュソウの全記録]

寒の戻りで戻りでフクジュソウも小休止 大ドッケ

                                              2009/ 3/11 
         

大ドッケのフクジュソウ 2007/3〜2011/4までの16回の記録


 ■ 2009/3/11(晴れ) 

 秩父の最高気温が10度を超える日が最近1週間で5日もあったことから、大ドッケのフクジュソウはすっかり花を開かせているだろうと期待した。しかし、あいにく北海道の道東沖に低気圧がある影響で、本州に寒気が流れ込み、おまけに天気予報に反して曇り空と条件は悪かったが、大ドッケを目指す。途中のお宅の庭のフクジュソウは、もう午前9時半だというのにパラボラを広げていないことから、満足するフクジュソウの花見にはほど遠いだろう。

 岩場を削った山道から伐採跡が見える。その斜面を数人が進んでいる。今年は、鹿の食害から植林を守る工事が奥まで入っていて、ザレた斜面もきちんと道が切られていて歩きやすい。途中、その道から分かれて少し斜面を下り谷へと下りる。女性4人のグループが沢に入ってから沢筋の確認ができず戻ってきた様子だ。行き先を問うと同じなので、(女性グループの採った沢筋で正解なのだが、道が付けられている)いったん斜面を登って沢をまたぐコースを案内する。工事用の赤いテープが何か所か沢に下りたところにあるので間違って沢まで直接下りてしまったようだ。

 いつもはどこかで一休止するのだが沢に雪はなく、ぐんぐんと高度を上げることができるので、休まず登っていくと、男女4人のグループに追い付く。ちょうど休憩を取るようだったのであいさつをして通り過ぎようとすると「もしかして大ドッケをホームページで載せている方では?」と声を掛けられる。よくこの「はな旅・やま旅 北海道」で山の記録を見ていてくださっているとのことであった。(おまけに「岡埜の豆大福」もいただいてしまいました。)

 麓の集落を出発して2時間とちょっとで、いつものフクジュソウの花園に着いた。フクジュソウは今日の寒さと曇りがちな天気で花弁を閉じているのが多い。先客は地元の方の男性1人で、小学校か中学校のころに遠足で、もっと標高の低い場所でこのようなフクジュソウの群落に行ったことがあるが、そこがどこだったか思い出せないとのことであった。

 花園に近づくと沢の右手から登るようにすると倒木があって休憩に適した場所に入ることができる。そこはまさに花園の中心部分。お湯を沸かして味噌汁と飲み物を作って昼休みとする。そのうち2つのグループも花園に到着し、歓声を上げる人もいる。周縁を歩いて花をカメラに収めて下山するが、1時間半も逗留してしまった。気温は3度ほどしかなく、体が冷え切っている。

 沢を下りて伐採跡地の斜面に取り付くと、朝方にはなかった道が斜面に切られている。先に進むとおじいさんが道を切っている。お話をうかがうと、以前は麓に住まわれていたそうだ。大ドッケのフクジュソウを見に来る人がたいそう感激して帰るとのことで、そのような人のために道を切ってくれているようだ。フクジュソウがある場所は地元では「花新田」と呼ばれているところで、どちらかというと湿り気の多いところだそうだ。どうしてあの場所にフクジュソウが繁茂しているか分かるかと聞かれたが、分からない。そのおじいさんは鳥が種を糞とともに落としていったからではないかとのことだった。50年前に、青年団で保護地を示す標柱を立てに行ったきりフクジュソウを見に行ったことはないようだった。


どの沢に入るかが問題です。

 おじいさんが言うには、前の駐在さんは山岳救助隊の人で大ドッケに人が入るのをずいぶん嫌がっていて、パンフレットの類の配布も中止するように求められたそうだ。そう言えば、初めて大ドッケに登った日に、駐在さんにいろいろ質問されたっけ。おじいさんは、遭難でもあったら面倒だから駐在さんは山に入られるのが嫌だったのではないかと言う。もしかしたらフクジュソウが踏まれて荒らされるのが嫌だったからではないだろうか。そういえば、今日も沢筋で迷っていた人たちは、花園の中心にがんがんとお構いなしにフクジュソウを踏みしめながら上がって来た。あぁ〜〜。


[HOME]