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大ドッケのフクジュソウ(福寿草)群落地から大平山へ
2010/ 5/27〜28

大ドッケのフクジュソウ群落地の全記録


 5月27日 (1日目の前半)

 フクジュソウの咲く時期には多くの人が訪れる群落地も、この時期に登る物好きな人はほとんどいないだろう。勢いのあるものに従うのは人の常、咲き終わった群落地を省みる人がいないのなら、せめてその後の姿を見てあげよう、というような殊勝な気持ちではないが、この時期になにか彼の地に咲く花はないだろうかと、大ドッケに向かった。


どの沢に入るかはご自由に・・・。

 大ドッケへ向かう山道ではツツジが咲き、道の脇にはワラビがニョキニョキ顔を出している。ただしこのワラビはそう多くないし、それ以上に地元の人が来て採取する場所であるから、遊びで山に入る部外者が手を付けてはならない。坪山でも山菜のほか、ほだ木の椎茸をごっそり持っていく登山者がいるとのことで、注意書きが張られていた。これはもはや犯罪の部類に入るのだが・・・。


こんな沢を2時間余り

  さて、今日の暑さは格別だ。それは気温だけではなく、大ドッケまでの標高差600余mの沢登りのせいもあり、また、寝袋などの泊まり装備のせいもあるだろう。うっそうと茂った木々で陽の差し込まない沢を淡々と登る。しかし、目は周囲の植生を丹念に追って行く。


フクジュソウ群落地

 これといった花を見ることなくフクジュソウの群落地に着く。もうフクジュソウは葉を茶変させ、実もほとんど残っていない。唯一、ハシリドコロだけが威勢がいい。
 群落地下部に赤色のビニールテープが張り巡らされている。群落地の踏み荒らしに業を煮やした人が張ったものと思われるが、あまりにも群落地の規模が大きいことから、下部の一部にしか手が回らなかったものと見られる。


ハシリドコロも目の敵ばかりにはできません、なぜならば・・・。

 これまで気になっていたフクジュソウの群落地及び群落地までの場所での植生は分かった。今夜の宿を求めて、笹薮を漕ぎ稜線に上がり、ツキノワグマを心配して大平山から七跳山を越え、酉谷山まで行かなくては・・・。もう時刻は午後2時を大きく過ぎた。ゆっくり出発した付けが回ってきた。先を急がなければならない。


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