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酉谷山避難小屋〜大ドッケ〜浦山大日堂
2011/ 4/15〜16


長沢背稜と酉谷山避難小屋


 4月16日(2日目) 

 
こんなにまばらになっちゃって

 昨晩は疲れてしまって、若者3人が食後のお酒を嗜んでいるのを横目に、早いうちからすっかり寝てしまいました。シュラフは夏の高所で使っているイスカのAIR450だったのですが、暑くて途中でいったん目覚めてしまいました。月夜だったのでしょうか、小屋の窓から光が入ってきていました。若者たちと言えば、鼻かぜの人に鼻炎薬をあげたので静かに眠っていましたが、もう一人の若者は咳き込んでいて苦しそうだったので、目覚めた時に風邪薬を持たせました。小屋には300xさんが寄付してくれたと思われる救急セットが置かれています。若者がその中を検めた時に風邪薬はなかったのですが、自分がいつも持ち歩いている救急セットに総合感冒薬と鼻炎薬が入っていることに気付いたことから、あげたのでした。


咲き残り

 前日小屋に着いたとき、「金曜日なのでまさかあなたたちのような若者が、この大震災後の大変な時期に山で遊んでいるとは思わなかった。その分何か貢献しているのかね。」と、あくまで冗談っぽく尋ねると若者たちは、「毎日夜遅くまで一生懸命働いて社会に貢献しています。昨日は遅くまで仕事をし、夜半に東日原に着いて野宿をしていました。」と見上げたことを言うので、それからはいろいろと話が弾んだのは言うまでもありません。その若者たちは、今日は雲取山に行くと言って幕営用具を入れた大きなザックを背負って出発して行きました。


わずかですが

 若者たちが去ったので、小屋の窓や扉を全開にして土間にたまった土を掃いて外に出します。その後舞いあがった土埃でうっすら汚れたところに雑巾がけをしてから私も出発することにしました。奥多摩のイワウチワやカタクリも見たかったのですが、やはり大ドッケのフクジュソウのその後を見ることにしました。いつものように七跳山から大平山に向かいますが、木々はまだまだ芽吹いておらず、北斜面には雪が残っています。新しい靴跡が一人分ありましたが、これはたぶん昨日のものでしょう。


日当たりが悪いから残っていました

 大ネド尾根の分岐点からうるさくなったスズタケの藪を分けて大ドッケのフクジュソウ群落地下降点に向かいます。早くフクジュソウの地へ行こうと尾根から外れて急下降します。だんだんと降りていくと緑が広がってきてフクジュソウ群落地となります。年々勢いのなくなっていくフクジュソウ群落地ですが、それは群落地の真ん中に縦横に入っていく踏み跡のせいもあるでしょうが、踏まれていないところもまばらになっているということは気候も関係しているのかもしれません。

 当然ながら4月も中旬となった群落地にフクジュソウの花は多くありません。それでも木陰になったところなどには少し花が残っています。少し写真を撮ってからの群落地を離れ休憩します。気温は20度ほどですがそよそよと吹く風が半袖のスタイルには心地よく、あ〜この場所はいつ来てもいいな〜と思いながら長居をしてしまいました。少ないバスの便のことを考えるとそろそろ腰を上げなければなりません。フクジュソウたちと別れ、伏流となった流れが顔を出すたびに水を飲んで沢を下ります。


アズマイチゲ

 沢の途中まで来ると登ってくる人が目に入ります。声を掛けると地元の人のようです。何度も見に来たようで、その時々の様子を話してもらいました。さらに沢を下っていくと、あれれ〜、この葉っぱはアズマイチゲ?崖が崩れ土砂が流れているところの脇にアズマイチゲの幼苗が固まっています。実はこの地にフクジュソウ以外の花はないかと時期を外してきたことがあるのですが、その時は何も探し出すことはできませんでした。ここにあるということはと、周囲を見渡すと崖の途中に純白の花を付けたアズマイチゲが一輪ありました。このときのうれしさと言ったらありません。たった一輪ですが、そこがまたいいんです。その後、沢から少し上がって斜面を歩くともう1か所でアズマイチゲを見付けましたが、まだ花を咲かすほどの株ではありませんでした。


ヤシオツツジ

 そんなことで浮き浮きしながら沢の分岐点に来ると、ご夫婦でしょうか、河原に2人の姿が見えます。どうも迷ったのではないでしょうか。それでも何も言ってこないので余計なおせっかいと思い別な沢に入っていくと、この2人は元来た(正しい)ところへ戻っていくようでした。
 この別な沢野岩の上に「ここがどこか分かるの?」という注意書が置かれていました。実際この沢で迷う人が多いのはよく耳にします。道がよく分からないでこの時間に登っていくということはリスクが大きいから戻るのが正解でしょう。だんだん里が近づいてくるとミツバツツジが咲いています。ここも城山界隈と同じように、近づけるような場所にツツジの木はなく、たった1本登山道脇すぐ下にあったツツジは岩のすき間にしっかりと根を下ろしていたことから、災難を免れたものと思われます。


道迷い?


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