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大ドッケから雪を踏みしめて酉谷山避難小屋へ
2012/ 3/22〜23
今年は遅すぎ フクジュソウ
■ 3月22日 (木・1日目) ■
(2012年)3月16日にこの沢を下りてきたのですが、その時は標高800mのところまで深い雪に覆われていたものの、今日は沢の両岸の雪もなくなっています。前回は、翌日が朝から雨の予報だったので泊りがけの山をあきらめ、日帰りの予定で峠ノ尾根〜大ドッケ〜そしてこの沢を歩きました。今回も、2日目は雨の予報ですが、いつまでもいい予報を待っていても埒が明かないので、下山日の雨を覚悟して出かけます。浦山大日堂(450m)から沢に入り、峠ノ尾根の途中に出て大平山(1603m)に登り、大クビレに下りてから七跳山(1651m)に登り返し、長沢背稜に下りた足で酉谷山避難小屋に向かいます。雪が多かった前回から1週間経っているからと、アイゼンは軽アイゼンを持ち、ワカンは今回も持たなかったのですが、それは大間違いでした。春の秩父の山を軽く見てはいけませんね。
標高800m
前日の労働がこの老体には余りにも過酷で、おまけに仕事が切れなくて居残りが必要だったので、肩から背中がバリバリになって体調はすっきりしませんが、フクジュソウも酉谷山での憩いのひと時も待っていることからと、どうにかパッキングを済ませ秩父に向かいます。いつもの浦山大日堂前の駐車スペースには車が2台あってすでに人影はなし、そしてタクシーで到着した3人組が出発して行ったので、平日ながら今日は(途中までは)賑わいを見せてくれそうです。
陽が射さないので
今年は雪が多くて沢から登る人が少ないのでしょうか。前を行くのはタクシーで来た3人だけです。標高を上げて行くと雪は確かに多いものの、前回(3月16日)ほどのことはありません。出発してから2時間20分を要して標高差750mを登り、お花たちの待つ彼の地に着きました。先着の2グループの人たちは嬉々として花をカメラに収めています。その花たちを愛でてから峠ノ尾根の稜線に向かいます。傾斜のきつい支尾根にもまだたっぷりと雪が残っていて、枯れた逆目のスズタケと相まって苦労して稜線に出ると、そこに残されていた足跡は前回の私のものだけです。そして、大平山へ向かう稜線は未だ深い腐った雪に覆われています。
花園の春はまだ遠い
今回は2日目の下山時に、これまで歩いたことのない大ネド尾根を使う予定にしています。もう雪も少なくなっているだろうからとの目論見だったのですが、峠ノ尾根に出てから七跳山までは北側斜面のほぼ登り一辺倒と考えてよく、北側斜面も登り返しの南斜面も足がズボズボと埋まる想像外の事態に陥ってしまいました。深いところでまだ膝下まであるので、体力の消耗が著しいことこの上もありません。明日は朝から雨の予報なので「これは参ったな。仙元尾根にルートを変えても歩きづらいだろうし・・・。」と気が滅入ります。その前に、明るいうちに小屋に到着することが第一です。鹿も足を取られて腹まで埋まるような斜面を我慢しながら登り、緩斜面に出てあと半分で大平山というところで、大久保谷からの新しい人の足跡を見た時には驚きました。
巨樹に寄り添って
この足跡は奥多摩に抜けるのかなと思っていると、前方から男性(※)が下りてきます。「大久保谷から尾根を登ってきましたが、7時間かかりました。」と話されます。手を見ると血が出ているようだったので、カットバンをお分けして別れます。熊鈴を身に着け、地図とコンパスを見ながら、この時期の秩父の山の完全なマイナールートを雪中行軍されるとは、相当なベテランさんとお見受けしたのでした。(※fuya0123さんの記録へ)
長沢背稜はまだ冬です
大平山でこの人の足跡は踵を返しています。ということはその先に踏み跡はないということです。(正確に言うと途中でツキノワグマと鹿の足跡はあったのです。)このルートで一番雪が深いのは大クビレの先の登りと七跳山の北斜面です。ただ、2層になった雪の下の氷化した層がかろうじて残っているので、踏み抜きはそんなに多くなかったのが幸いしました。一人分の足跡があった七跳山の頂上から数人分の足跡が残る長沢背稜に出て、酉谷山避難小屋に向かいます。無雪期より20分余分にかかったのですが、日暮前にようやく無人の小屋に到着したときは、心底安堵したのでした。
往路 | 復路 | |||||
着 | 地点 | 発 | 着 | 地点 | 発 | |
浦山大日堂 | 1000 | 酉谷山避難小屋 | 0745 | |||
1220 | 沢上部 | 1225 | 0845 | 七跳山 | 0850 | |
1305 | 峠ノ尾根上部 | 1310 | 0925 | 大平山 | 0930 | |
1420 | 大平山 | 1425 | 1000 | 大ネド尾根分岐点 | 1005 | |
1515 | 七跳山 | 1515 | 1155 | 大ネド尾根取付き | 1200 | |
1635 | 酉谷山避難小屋 | 1220 | 浦山大日堂 | |||
計 | 0635 | 計 | 0435 |