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尾瀬でテント泊 大江湿原散策
2011/ 8/ 7〜8


 8月 8日(月) 


朝もやに包まれた大江湿原

  いやはや、夕べはすごい雨が降り続いていました。それでも、夕食を済ませるとテントの中の程よい温度に誘われて、熟睡してしまいました。夜半に目が覚めたので、換気口から外を見ると小雨のようです。もうひと寝入りして夜明けを待ちます。熊笹に雨が落ちる音がしますが、それは木々の梢からの雫の音でした。テントを出てみると東の空が明るく、いい天気の予感です。FURENも起き出したので、長衛小屋から燧ヶ岳を眺めたのち、朝もやの煙る大江湿原へと向かいます。


大江湿原

 これまで、先入観で「尾瀬イコール喧噪」と忌避していました。この日、ようやく目覚めたばかりの尾瀬沼ヒュッテを通って大江湿原に向かうと、遠くから2人ほどが散策から戻ってくる様子で、ほかに人は見当たりません。澄んだ涼しい空気を吸って尾瀬の散策を楽しみます。小渕沢田代への分岐点に向かって進んでいくと、昨日はなんともなかった木道沿いのミズバショウが痛んでいたり、草が押し倒されています。昨日、ビジターセンターでツキノワグマが湿原のミズバショウの苞を食べにくるとの話は聞きましたが、ヒュッテの近くの木道脇にも出没しているとは思いもよりませんでした。木道から林までの距離はそんなにありません。そこからツキノワグマが草を押しつぶして歩いた跡が数本ありました。


御池に向かう登山者

  朝露に濡れた湿原に花はほとんどありませんが、昨日の大雨で空気が澄み、それはそれは爽やかな高原の朝です。この空気を吸っただけで尾瀬に来た甲斐があったというものです。これから御池まで下りるというペアが颯爽と歩いていきます。こんなに早い時間ですが、沼田峠の方からは数人のグループがやってきて、燧ヶ岳への道を分けていきます。その人たちが通り過ぎると、また静寂の湿原に戻ります。


長衛小屋から大江湿原方向

  小渕沢田代への分岐点まで行きましたが、すっかり陽が上がってきて暑くなってきました。朝もやに包まれていた燧ヶ岳を見ようと、ビューポイントの長衛小屋脇に行くことにしました。尾瀬沼に燧ヶ岳が映えて感動ものの風景です。何人かがこの風景を押し黙って眺めています。


尾瀬沼と燧ヶ岳

 今回は、尾瀬沼まで来ること、そこでテント泊をすることが目的でしたから何事にものんびりです。ようやく木立の間から朝の光が射し込むテントサイトに戻って、シェフが朝食の準備をします。尾瀬沼ヒュッテのテントサイトには炊事場、水場はありません。炊事場がないということは、炊事で余分なものを排出させないということです。水場がないとは言っても、それはテントサイトにないということで、実際はビジターセンター裏のトイレ入り口にある蛇口から水を汲みますが、食器などは洗うことを禁止されていますので、キッチンペーパーで汚れをふき取ります。


朝の尾瀬沼

 北海道日高山脈の稜線を歩くときは、6リットルほどの水を担ぎます。これを行動中の水分補給、炊事などに2日間用として使いますが、1滴たりとも無駄な使い方はできません。まさに命の水です。しかし、尾瀬では水はふんだんに汲めますし、トイレで歯磨きもできますので、食器が洗えないなどということは些末なことで、そういった意味でここは天国です。


つくり笑いのシェフ

  シェフが上機嫌で朝ごはんを作ったので、おなかも十分満たされました。あとは大清水に戻って、温泉で汗を流すだけです。沼田ICに向かう国道に「花咲温泉 花咲の湯」という看板があったので、その名に誘われて道を逸れました。名に違わぬ施設で、多くの車が停められているにもかかわらず騒々しくもなく、ゆっくり湯船に浸かりこだわりのメニューで群馬の食をいただいたのでした。


※ こんなサイトも・・・「飼猫の遠吠え」さんの2011/ 5/14の尾瀬沼テント泊 ※


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