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南日高へ 花三昧の一日 (2014)
(3日目)
2014/ 5/23~25


林床のオオバナノエンレイソウ とんでもない光景だった


 5月25日(日) 3日目  

 伏美岳~ピパイロ岳~1967峰~北戸蔦別岳を1泊で往復したことから、1日完全に予定がなくなった。そんなことも天候次第ではあり得るものと心積もりはしていたので、山を下りた後の伏美小屋泊の翌朝、早い時間に南日高に向けレンタカーを走らせる。途中、中札内美術村でスズランとベニバナイチヤクソウの開花状況を見る。広尾国道を南下しながらスズランやエゾカンゾウは咲いていないかと道の左右を見やる。ヒダカイワザクラの植生の場所以外は、画像の花々はどれも道路から1~10m程度の距離に咲いていたものである。


昼近くで陽の光が花の後ろから射す明るいところ

 このエゾオオサクラソウの群落は見事であった。道路脇の斜面を広く覆っている。エゾオオサクラソウは南日高ではどこでも見られるありふれた花である。しかし、この花(オオサクラソウ)を北アルプスで見たら感激するだろう。少ないから・・・。咲いたばかりのエゾオオサクラソウにはまだミツバチが訪れていない。なので花弁にミツバチが止まったときにできる足跡がない。


スズラン

 スズランは、北海道を代表する野草なはずなのに、もうおいそれと簡単に見ることができなくなった野の花になってしまった。スズラン公園という名の場所のスズランが採られ尽されてしまい、一般家庭にスズランを戻してほしいとキャンペーンを行っているところもあるそうな。昔はどこででも見られたスズランではあっても、アマドコロやナルコユリが咲いているようなところで目を凝らすと見ることができる。今回は、花の時期には少し早かった。


シラネアオイとオオバナノエンレイソウの広大過ぎる群生地

 この場所は、カタクリが終わった後にシラネアオイとオオバナノエンレイソウが咲き乱れるところである。あまりにも見事である。坂本直行先生の絵をたくさん展示している施設が近くにある。


ハナシノブ

 そのシラネアオイとオオバナノエンレイソウが咲いている場所と道路を一本隔てると、植生がほんのちょっと変わる。ミヤマハナシノブ(あるいはヒダカハナシノブ)が集まって咲いているところがあった。なんとも清楚で清々しい花なんだろう。ほとんどが蕾だった。


サクラソウ

 山道に入る。といってもアスファルト舗装がされている。サクラソウが当たり前のような顔をして道端に咲いている。おいおい、よく盗られないなぁ。そういえばだれも探索しようとしないが、この長い広尾道路のあそこにもそして浦河国道のあそこにも。ちょっと工夫すれば見られる。(サクラソウが咲く場所は、鷲谷いずみさんの本を読むとどのような土壌のところに咲くか書いてあり、ある程度分かるかも知れない。)


クリンソウ

 この付近からあそこを入って、ここを曲がって、そのあと車を置いて山に入ればクリンソウの大群落があるはずとあちこち場所を探すが、大事な入口の場所を忘れてしまった。その群落の規模は見事なのだが、人はものごとを忘れやすい。今日は1日しか余裕がないので、深入りしないことにした。その代りこのアスファルト道路を進むと、どこにでもクリンソウが(ちょぼちょぼと)咲いている。今が盛りです、とクリンソウが陽の光を浴びている。


湿潤な場所ではクリンソウ祭開催中

 林道からちょこっと入ったところに、本来は冷涼な高山に咲くヒダカイワザクラの群生地がある。しかし、その林道の入り口の風景をすっかり忘れてしまい。10km以上も行ったり来たりした。この場所のヒダカイワザクラは5月の連休に咲いてしまうので、花の場所だけ再確認したかったのだった。もうあきらめて帰ろう車を走らせているとき、記憶していたところとは全く違う場所で、林道の入り口を見つけた。


ヒダカイワザクラ

 林道は途中で沢で分断されている。この沢を渡るには四駆でないとヤバい。レンタカーを傷付けてはいけないが、ここで車を置いて歩く時間的余裕もないので、ままよと車を沢に突っ込む。水かさが排気管まではなかったので無事渡り終え、少し行った先から歩く。ここはヒグマの巣である。よく町に出てきて駆除されている。だから人が入り込まないので、ヒダカイワザクラもわりと安閑としていられるのだ。そうでなければ、大ドッケのフクジュソウの二の舞になるだろう。今回は少し上流部まで足を伸ばした。ある一定の条件の露岩のところには必ずヒダカイワザクラが密生している。



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