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我が登山の原点 六甲山域再訪
2008/ 1/24



六甲山域 打越山

  昨年11月、韓国系アメリカ人バイオリニストのサラ・チャンが来日し、サントリーホールで公演した。そのサラ・チャンが 再び来日し、大阪のザ・シンフォニーホールで2日間公演すると知ったので大阪行きを決めた。大阪といえば隣の神戸に六甲山がある。3年間、ハイキングで歩いた山であり、山を趣味とするに至った我が原点である。コンサートの翌日再訪することとした。

 1月23日
 
       
ザ・フェスティバルホール             ビジネスホテル パークイン

 低気圧が近づいている大阪はどんよりした空で、開演1時間前のザ・フェスティバルホール周辺に人はまばらであった。しかし、開演時刻が近づくとホールの座席はほとんど埋め尽くされた。サラ・チャンの演奏曲目はシベリウス「ヴァイオリン協奏曲二短調作品47」、これまでもCDで何度か聴いてはいたが、どうも乗ってこない。オーケストラのせいか、なんなのか、いつものように「さあ、サラ・チャンの演奏が聴ける」とのワクワク感が伝わってこない。エルガーの交響曲3番もオーケストラは一生懸命演奏している。しかし、演奏終了直後客席を立つ者も多く、今日の演奏会の印象を物語っていた気がする。

 夜は西成のドヤ街へ直行。宿泊先は「ビジネスホテル パークイン」、いわゆる簡易宿泊所だが、最近この周辺の宿泊所は、外国人バックパッカーや若い女性にも利用されているとのことで、入ってみた。外観はまあまあ、2000円也の部屋は3畳間でテレビと電気あんかが置かれている。布団カバーシーツ、枕カバーはきちっとクリーニングされている。畳みは新しい。ただし、建物は古く、部屋の壁も汚れている。風呂は1階にあり、4〜5人が入れる。男性19時30分から21時まで、女性21時から22時30分までの2部制。22時にチェックインしたが、風呂に入れてくれた。


         
今夜の部屋                ホテル 来山 

 入浴後、地下鉄御堂筋線「動物園前」駅周辺の立ち飲みやに行こうとしたら、宿のおやじは、「この周辺は、薬の売人が立っているから気をつけて下さい。売人が部屋を取って何度も出入りしていたこともあったことから、犯罪を防止するため門限を0時としています。2〜3回出入りする人は出て行ってもらうようにしています。あなたのような人には関係ないかもしれませんが、この周辺の治安を守るためには仕方のないことです。今から私たちは町をパトロールします。ここの連中は”へたれ”ばかりです。」という。

 22時過ぎのドヤ街は人影も少なく、立ち飲み屋も店じまいしていて、仕方なくコンビニでアルコールを仕入れて、部屋で飲むことにする。パークインは宿泊者も少なく寂れた感じだが、真向かいのホテル来山は女性客も多く見かけ、館内も明るそうだ。ネットの時代、ホームページで集客するところには勝てませんね。


 1月23日
 早朝に起きて六甲に向かうつもりだったが、簡易宿泊所の寝心地のよさで寝坊してしまった。8時、御堂筋線を乗り継いで阪急電車で懐かしい「御影駅」に行く。御屋敷街を抜けて住吉川に沿って石切道分岐まで行くが、一軒茶屋、六甲山頂上方向は真っ黒な雲に覆われ、小雪も舞ってくる。これでは藪こぎを強いられる五助山〜六甲山はあきらめ打越山から風吹岩を経由してロックガーデンを高座の滝に下りることにする。


  御影駅から上がっての標識            石切道分岐

 石切道までは、軽装の2人が先を行く。御影駅から上がって住吉台団地と石切道への分岐に上がる。くるくるバスの案内板を左手に見て右手の石切道への分岐へと向かう。石切道は、大阪城築城に当たって御影石が切り出され運ばれた道だという。何度か歩いたが歩く人もそう多くなく、静かな趣のある山道だ。石切道への道標を反対にたどって打越山へと向かうが、雪が強い風とともに吹き付けてくる。合羽を着込んで寒さをしのぐ。


左・石切道へ 右・打越山へ              雌池

 雪の打越山でいったん小休止してから、打越峠を越え雌池を通り横ノ池(雄池)に着く。まだ雪が降り続いているが、10人近いグループが池のほとりで休んでいる。何度か立ち寄った風吹岩から見る六甲の稜線には相変わらず重苦しい真っ黒な雲がかかっているが、ロックガーデンから先の神戸の街を見ると天気は回復している。


       
雄池              ロックガーデン

 ロックガーデンから高座の滝に出て芦屋川駅から阪急電車に乗ったが、3年間乗っていた電車も町並みも人も懐かしく、いつしか暖かい電車の揺れに誘われて、夢の世界に入っていっていた。


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