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南アルプス縦走/テント泊 1日目(2013)

(2013/ 7/12〜17)

沼平ゲート〜茶臼小屋


茶臼小屋


 7月12日(金) 


畑薙大吊橋

 のんびり長い距離を歩くことができる山ということで、南アルプスを2013年の夏山第一弾として選んだ。コースは、茶臼岳〜聖岳〜赤石岳〜前岳〜中岳〜悪沢岳〜千枚岳を周遊するもので、基本はテント泊である。ただし、東海フォレストのバスを使う都合上、どこかで小屋に1泊しなければならないことから、取り敢えず夕飯のトンカツのおいしいと評判の百闢エ山の家を3泊目に利用する計画とした。(※ テント:アライ エアライズ2、グランドシート、チタンペグ ザック:OSPREY CRESCENT 50)


ウソッコ沢小屋

 仕事を終えて家に帰り、ザックの中身などの最終チェックを終え、首都高経由東名高速を走る。第二東名を新静岡ICで下り、(富士見峠のルートは時間帯により通行止となることから)狭い山間の道を通って口坂本温泉から井川ダムに出てさらに北上し、畑雉第一ダムを越え、南アルプス登山指導センターが設置されている沼平のゲート前に車を停める。東海フォレストの夏季臨時駐車場に停まっていた中型観光バスがゲートまで来て、10数人の登山者が下りて林道を進んでいく。単独の青年が次いでゲートから進む。今日の行程は標高差は約1,500m、約6時間と少しの行程ながら、前日の仕事が終わってから沼平ゲートに到着した未明までの睡眠時間は「30分」という肉体に厳しい環境だった。そんな状態でゲートを出発する。


横窪沢小屋

 茶臼岳登山口の畑薙大吊橋でバスの一行や青年に追い付く。登山届をボックス投入し吊橋を渡る。青年は「上流から入ります。」と言って林道を進む。あにはからんや、青年はウソッコ沢小屋手前の川原で休憩していた。大吊橋を通らないで横窪沢を遡行すると、1か所だけ注意を要するヘツリがあるが、あとは歩きやすい沢だという。(この沢を遡行するは、昔は一般的なルートだったようだ。帰路に立ち寄ったお茶の店の御主人が高校生のころ学校行事でここを使ったとのこと。)手前のヤレヤレ峠では、バスで来た一行が休憩している。聞くと新ハイキングの山行グループ16人であった。茶臼小屋はまだ営業を開始していないが、小屋の使用を事前に申し込んでいたとのことで、明るい一行であった。ウソッコ沢小屋で青年に追い付き、再び離され、急な登りに耐えて中の段で一息入れ、横窪峠の標識を見やるとそのすぐ先が横窪沢小屋であった。管理人さんがお茶を上がって下さいと、冷たい麦茶を供される。ありがたい。遅い朝食を済ますと新ハイキングの一行が上がってくる。


上河内岳

 横窪沢小屋からは登り一辺倒となる。茶臼小屋までの標高差は700mを超える。巨岩の下から流れ出る「水呑場」の水で精を得て耐える。しかし、倒木ベンチの先にもう一つの昼寝に適当なベンチを見ると急に体から力が抜けていく。横になって風に吹かれていると深い眠りに就いてしまった。ウールの2枚重ねのTシャツは汗でぐっしょり濡れていたのに、30分ほどの眠りの間にすっかり乾いている。山道の途中での、これほど気持ちの良い眠りは久しぶりだ。 


いい雰囲気の源頭

 それまでの樹林下の登山道から、草付きの視界が開けた登山道になると間もなくシナノキンバイやハクサンチドリがわずかに咲くお花畑で、そこからさらにちょこっと登ると茶臼小屋が見える。源頭に立つ茶臼小屋、そしてテント場は富士山の展望を欲しいまままにできる。この場所に小屋がなく富士山の眺めがなければ、雰囲気は日高の八ノ沢カールそのものである。テント場のわずか数メートル下から水が湧き出て流れを作っている。担ぎ上げたビールと日本酒を源頭の流れに浸し、受付を済ませておもむろにテントを設営する。この日はまだ小屋明けの前日を理由に「テント場の料金はいりません。」とのことであった。


富士山を遠望する茶臼小屋テント場

 先着していた青年が小屋のベンチで休んでいる。そのすぐ近くには山腹からホースで引いた水場があって、ビールやポカリが大量に冷やされている。そのうちにようやく新ハイキングの一行が到着して、一気に小屋の周辺は賑やかになった。最後の単独テント泊の男性が到着して、今日の茶臼小屋周辺の滞留者は18人となった。(新ハイキングは2泊3日の行程で池口岳往復とのことだが、果たして・・・。)


新ハイキング御一行様

 日差しをまともに受け暑くてたまらなかったテントの中も、陽の傾きで心地よくなってきた。担ぎ上げたビールなどを飲んでいるうちにすっかりいい気分になってひと眠りする。今までテント泊縦走時には75リットルのザックを使っていたが、今回は50リットルにダウンサイジングし、装備は徹底的に必要最低限のものだけ、嗜好品は初日用の缶ビールと5日分の日本酒、それに酒のつまみをほんの少しだけとし、そのほかには食材以外のもの(甘い物など)は一切ザックに入れなかった。結論から言うと、下山してみると体脂肪は12%に激減していた。この日、夕食を済ますともうすることもないし、前夕からわずかな睡眠しかとれなかったこともあって、テントで横になると文字通り「爆睡」であった。 


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