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鳳凰三山周回(地蔵岳・観音岳・薬師岳)
2014/11/ 7〜8


今はどの山もきれいになっている


 11月7日(金) 1日目  

 この週は南アルプスを、と言っても夜叉神峠から登って南御室小屋でテント泊をして山を楽しんでこようと思っていたが、雪深い厳冬期でもなければこのコースは面白みに欠けると考え直した。そこで、ルートは広河原から白鳳峠まで登って鳳凰三山を巡ることにした。宿泊地は鳳凰小屋である。


樹林のすき間から北岳

 今、アライテントのエアライズ2をふたつ持っている。これまで使っていたテントのボトムのシームテープが異常に剥離し、使い物にならないからと修理に出し、テントがないと困るからと同じエアライズ2を買ってしまった。ところが予想外に早く修理が終わって戻されてきたので、それを使おうと持っていった。修理は完璧になされて戻ってきた。アライテントから「ご迷惑をおかけした。」とのメッセージが伝えられ、無償であった。このテントで日高を歩いて48時間停滞したとき、テントが浸水したのはこのせいだったのか。(いやいや、これだけが原因ではなかった。翌日の朝、そのことが分かった。)


白鳳峠へ向かうガレ場からの北岳

 前夜、車を夜叉神峠登山口に停め仮泊する。晩秋の駐車場には2台しか車が停められていない。甲府駅始発のバスを広河原まで夜叉神峠登山口(06:17発)から乗るため暗いうちに起きて支度を整える。到着したバスには2人しか乗っていなかった。もったいないとしか言いようのない無風快晴の上天気である。


白鳳峠へ向けてガレ場を登る

 今回の登山は軽量化を旨とするものの、小屋での憩いのひと時になくてはならないビールと日本酒は全員がしっかりとザックに忍ばせることとした。朝夕の食事は4人で各食を分担し、各人が趣向を凝らすことにしメニューはお楽しみとしていたが、ツェルト担当でない人がザックの脇にポールらしき物を括り付けていて、これが「葱」とばれて、1日目の夕食が俄然楽しみになった。 


甲斐駒ヶ岳



 
深夜、畑薙第一ダムに車を停め、テントを張って夜明けを待つ。朝食後沼平ゲートに車を進め、ゲート脇にある南アルプス登山指導センターに登山計画書を提出する。指導センターでは、林道の崩壊で閉じ込められた人の救出が行われること、茶臼岳には一人が入って行ったことを知らされる。林道を歩き、大吊橋を渡ったあとは、ヤレヤレ峠、ウソッコ沢小屋、中の段、横窪沢小屋、水呑場、ベンチ、樺段と山地図に書かれたところで休憩しながら歩みを進める。小屋までの標高差は約1,500mほどあり、我慢して歩くしかない。


地蔵岳

 下山者に出会った。前日、茶臼小屋に泊まったという人だった。「台風19号の影響は酷かったようですね。沼平のゲートにパトカーが2台停められていましたが、椹島ヒュッテに閉じ込められた人の救出でしょうかね。」と尋ねると、その人は、「あれは8月に遭難死した人の遺体搬出なんですよ。聖岳登山口から入った人が、増水によって登山道に水が出たと見誤って登山道でない沢状のところを進み、後続者が間違いに気付いて声を掛けたものの足が速く届かず、結局その人は聖岳東尾根を越えて行ってしまったんです。」と教えてくれた。(このことはkatayamaさんの静岡の山と渓谷に詳しく書かれている。) 椹島ヒュッテに閉じ込められた人の中には自力で聖岳経由で下りる人もいるとのことだった。3日間、すれ違う人とはことごとく会話を交わしたが、そのような人たちとは会わなかったから、易老渡へでも出たのだろうか。 


鳳凰小屋のテント場で

 その後も、急な登りの道を汗を流しながら登る。ようやく茶臼小屋を望む。源頭からの水が豊富に流れている。小屋にはまだ誰もいない。飲み物を源頭の流れに浸してから諸準備にかかる。Sさんが持参のとっておきの「生」「原酒」をいただく。こんな山の上でビンに入ったお酒をいただけるなんて・・・。Fさん特製のすき焼き鍋の底が見えるころ3人が到着した。満天の星を見てシュラフに潜ると、今日の疲れと日本酒の心地よい酔いで一気に眠りに就く。


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