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茂倉岳避難小屋 (2012)


茂倉岳避難小屋
茂倉岳避難小屋:UR土樽駅から茂倉新道を標高差1231mの急登を登ったところにある。2004年に新築されたものの、屋根が抜けて2009年に大改修が行われた。別棟にトイレ、小屋裏すぐに水場がある理想的な環境。収容人数最大18人が快適なところか。肝心な[綺麗さ」はというと、「☆☆☆」。
なお
この小屋はチップ制であることをお忘れなく!


■ 2012/10/19 (金) ■

           
JR土合駅 

 あこがれの茂倉岳に紅葉を求めて行くが、膝の調子が心配なので上越のマッターホルンから周回するのは困難、ならば茂倉新道から回って天神平からロープウェイで下りようと、JR土合駅に車を停める。この駅はステーションビバークで有名な土樽駅へ行くには、標高差70.7m、486段の階段を下らなければならない。朝一番と言っても土合駅午前8時34分発の2両電車に乗る。所要時間8分の土樽駅で下りたのは一人。待合室は人の寝室の匂いがした。

             
JR土樽駅

 6年前、万太郎山から谷川岳を縦走したときにここでステーションビバークをした際には、警察官がパトロールに来て、「混んだら譲って下さい。」と言われたが、一方で、土合駅に車を停めて土樽駅まで来てここを出発する人も多いらしい。いずれもこの山域を楽しむいい方法である。


ドウダンツツジも私も痛い目に遭った

 土樽駅から茂倉岳避難小屋までの標高差は約1240mある。土場の駐車場から1216mまでは急登で、ただただ登る。今朝の足跡が2人分あったので先行者がいるのは分かっていたが、大木の影に人が休んでいるように見えた時に驚かしてはいけないと少し手前からおじさんがヌッとツツジの株を手に持って目の前に出てきたので、そのツツジを凝視して足下が留守になり、濡れた松の根に足を取られて転倒、膝をしこたま打ち付けてしばらく起き上がることができなかった。おじさんには何も言わなかったが、右に道具、左手に小振りながら鉢に植えるのだろう、サラサドウダンツツジを持っている。おじさんは一瞬、悪いことを母親に見つけられたような童顔になっていた。


矢場ノ頭

 標高1490m・矢場ノ頭が見えると山が燃えている。だが、ガスが小雨になってきた、日本海から真っ黒な雲が次々に押し寄せてくる。
茂倉新道はずうっと尾根の南側に付けられていて、北側の谷から吹き上げてくる風が低木や笹に遮られてあまり風を直接受けないので、その分楽ができるが、寒いことこの上ない。


足拍子岳からシシゴヤノ頭へと続く尾根

 谷川岳馬蹄形縦走をした6年前に、武能岳から見たシシゴヤノ頭へと向かう「謙信ゆかりの道」は、紅葉が尾根を彩っていて美しくいつかは歩いてみたいと思わせてくれたところだ。その斜面は谷底まで紅葉が続いている。右を見ても左を見ても、前も見ても後ろを見ても紅葉、黄葉また紅葉。あきれるほど美しい。


1683m

 1683mの登りにかかると、風とガスがせめぎ合いをしている。右手の万太郎谷側の紅葉も素晴らしかったが、急登を一時間以上黙々と行くだけになってしまった。1683mは茂倉岳の「肩」であり、登り詰めるとそこからだらだら登りが続く。紅葉はさらに続くが、それも徐々になくなって笹原が優勢になると小屋が見えてくる。


茂倉岳避難小屋

 人気のある小屋で満員御礼の日もあるという小屋だが、今日は平日で独り占め。小屋からすぐの沢筋に滔々と流れ出る水を確かめさっそくビールと日本酒。さて魚沼産のコシヒカリを炊こうとガスバーナーをガス管に差し込んでバルブを開けるがガスが出てこない。このガス管はSotoのあまり使用していないガスが十分に入っている物を選んで持ってきた。ボールペンの芯で突くとガスが出てくるが、それ以上手の施しようがない。そういうことでコーヒーも、スープも、牛焼肉もご飯も、朝のハムエッグもお預けとなってしまったので、暗くなってきたことを幸いにシュラフに潜り込む、朝まで。


茂倉岳避難小屋の内部(暫定版)




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