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茂倉岳避難小屋 (2013)

 茂倉岳は、谷川岳の北方向にある標高1977.9mの凡庸とした山である。その山の西方に下ること約100m、標高約1、880mに茂倉岳避難小屋がある。その小屋があることによって、この凡庸とした茂倉岳が引き立っている。水場があり、綺麗なトイレが別棟にあり、そして小屋は非常にきれいに手入れされ、掃除されていることに尽きる。この小屋の掃除などは、蓬ヒュッテの管理さんが行ってくれているようである。トイレを使い、やまして小屋で休憩しさらにはこの小屋に泊まりながら、チップを置いて行くことを失念するなどしてはいけない。その綺麗さは、使う人にるものとは言ってもその貢献度は、ヒュッテの管理人さんの力にははるか遠く及ばない。(小屋に入った右手の窓の下にチップ箱が取り付けられている。昨年はなかった鎖がチップ箱に巻かれ、鍵が掛けられている。山でつい変身してしまう泥棒対策であろうことは言うまでもない。)


雪を冠する茂倉岳


 10月18日(金)   

 餅は餅屋ということで、10月の中旬の槍ヶ岳を計画したときから、ヤマテンから、山の天気予報を配信してもらうようにした。ヤマテンによると槍ヶ岳は気象条件が最悪で、谷川岳もそれに準じた天候と言うことで、その時はあきらめた。2013年の槍ヶ岳はもうおしまい、だけど2012年の茂倉新道の素晴らしい紅葉が忘れられず、同じ時期なので出かけてみようと計画した。そのヤマテンの予報はというと、「18日は、晴れて風も弱い。稜線は前日までの降雪で凍結の可能性あり。午後、上層や中層で雲が広がる。そして19日は曇り空で、午後にガスが沸き立ってくる」というものだったが、概ねこの通りの結果となった。


矢場ノ頭から少し進んだところから

 高速道路を水上まで車を走らせ、土合駅に駐車する。改札口からは延々と通路が続く日本一と言われるモグラ駅の通路は300mを超える深さに下りて行く。到着した電車は超満員で多くが土合駅で降りた社会科見学の生徒であった。次の土樽駅で下りた登山者姿の人は3人、うちの2人は蓬新道を蓬ヒュッテまで上がり、そこに宿泊とのことだった。

 今日歩く茂倉新道の登山口駐車場(100台駐車可)には2台の車が停められ、続く登山道にも2人分の足跡がある。のっけからの急登、滑りやすい赤土剥き出しの登山道、登るにしたがって大木の根や横に成長している木々をまたぐことがしばしばとなる。そのような我慢比べを行うと、一気に展望が開け、矢場ノ頭に到着する。登山口からの標高差は約740mもある。気温は低いにもかかわらず、休むことなく登って来たので、汗をいっぱいかいた。ここでちょっと休憩。


茂倉新道に佇む茂倉岳避難小屋

 昨年は、この周辺は紅葉の真っ盛りで、隣の西尾根も茂倉新道の万太郎谷への斜面もまっかっか、まっきっきだったのに、今年はそんな光景を見ることはできない。夏の気候のせいとしておこう。麓にも紅葉はなく、今年はこれで終わり?紅葉ははずれだったが、今晩の楽しい小屋ライフを思い描きながら次のピークの1883mを目指す。ピークから小屋が見え隠れするようになると傾斜は緩み、待望の茂倉岳避難小屋に到着する。このころ、上空はすっかり曇ってきていたことから、小屋の内部も薄暗い。水場(2か所から流れる。水量豊富。)で水を汲んで小屋に戻り、ビールタイムを始めたところに天神平から上がってきた男性2人、ビールタイムが終わり日本酒の番となったところに西黒尾根から上がってきたペア2人が加わり、5人がこの小屋の今夜の住人となった。


とても綺麗な小屋の内部

 男性2人組みは明日は白毛門周り(つまり馬蹄形縦走)、天気が悪ければ蓬峠から土合駅に下りるということで、早々に就寝タイム。ペア組みは茂倉新道を土樽駅までとのことで、ゆっくりと夕飯タイムで茂倉岳避難小屋の夜は更けて行った。この夜は、拝借した小屋の銀マットの上にR値の高いカスケードデザインの女性用エアーマット、その上に真夏用の薄いシュラフ。薄いダウンインナーの上下を着用して寝たが、程よい暖かさ、快適至極であった。


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