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静寂の東稜に咲くヒメイワカガミ 滝子山
2008・5・18
東稜
山の雑誌「新ハイキング」の最近号にヤマシャクヤクの記事が載っていたことから、大好きな滝子山を再び登って、ヒメイワカガミとともに見てみようと計画した。天気予報では、午前9時ごろまでは曇りなので、藤子沢神社をゆっくり出発すれば花見の場所では晴れてくるだろうとの目論見であったが、結局は昼時に東峰に着くまでは曇ったままで、霧も発生していた。
藤子沢神社から植林された斜面を登り稜線に出合うと滝子山頂上までは自然林が続く。麓では花を咲かせていたチゴユリがまだ蕾のままで、ユキザサも花にはまだ早い。何かほかに花はないかと目を配って歩くと木の下の暗いところにユウシュンランが咲いている。始めてみる花である。結局この日ユウシュウランを見たのはこの1本だけであったが、絶滅危惧種に指定されているとあって、さもありなんと思ったのであった。
北海道の山では見かけたことがなかったが、エゾオオサクラソウが咲く時期の様似山道で撮影されたものがあるし、梅俊さんの図鑑では野幌森林公園で撮影された写真が掲載されていて、色鮮やかな花にばかり目がいっていたからかもしれない。
殿平で朝食を摂って、さあ出発しようと立ち上がると、腰の左側に強い痛みを覚えた。最近の気温の急激な低下でひいた風邪がやっと治りかけたばかりで体調があまりよくない。でも、ヤマシャクヤクに逢うためには先に進まなければならないのに、岩場で右膝を打ち怪我をしてしまう。さいさきがよくないなと思いつつ、核心の鉄塔付近からは目を皿にして四囲を窺うが、それと思われる葉や白い花はまったく見当たらない。そのうち登山道が笹で覆われてしまうので、もう植生の場所ではない。あきらめてミツバツツジを眺めながらヒメイワカガミの花の咲く次の場所へと向かう。ヒメイワカガミは、南面上部でわずかに開花していたが、頂上に向かう東面の登山道脇のものはまだ蕾のままのものが多い。
ヒメイワカガミの咲く岩場を抜けて滝子山東峰に着くと、頂上から嬌声が聞こえてくる。いつもは静かな滝子山も、週末は人出が多い。そこで東峰で腰を下ろし昼食とする。賑やかな2つの女性のグループが下山して行く。女坂を下りたので男坂を通って地図上のコースタイム2時間10分のところを1時間30分で休むことなく駆け下り、停めてある車に戻った。
この日の滝子山の花など
ミツバツツジ
ヤマツツジ
チゴユリ
フデリンドウ
アケボノスミレ
大樹
オドリコソウ
ギンリョウソウ
ユキザサ(斑入り)
駐車場はない
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