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道証地蔵から滝子山〜大谷ヶ丸〜コンドウ丸〜大鹿山周遊
2009/ 5/20

鎮西ヶ池に咲くリンドウ


 鎮西ヶ池に咲くというクリンソウにはまだ早いだろうが、大谷ヶ丸から滝子山に至る間に咲くという白い花を見ようと、道証地蔵から登ることにした。これまで何度も登った滝子山ではあるが、道証地蔵から登るのは始めてである。どうせ陰鬱な植林で覆われた沢筋に沿った道を登るのだろうといった先入観はまったく当て外れで、広葉樹の新緑に包まれたいい雰囲気の登路であった。

 お目当ての花は行けども行けどもその姿はなかったが、その代わりに稜線近くの沢沿いで2株のクリンソウがちょうど花を広げたばかりであるのを見つけた。ただ、このクリンソウは花びらがピンク色であり、ちょっと野性味に欠ける。しかし、株自体は日高の山中で見かけたものと同様、結球する前の白菜の葉のようであり、こんな色もありか、と自分を納得させてさらに登った。

 「鎮西ヶ池」というからには、ある程度水を蓄えたところかと思っていたが、そこは山肌から湧き出す水がわずかに蓄えられた「たらい」ぐらいの大きさの水溜りだった。そして水辺に1株のクリンソウがあって花を咲かせている。その傍には「クリンソウの種を蒔いています」との立て看板が掛けられていて、大いにテンションを下げるのであった。

 そこからすぐの滝子山の頂上に着いた。早朝のもやが晴れて秀麗な富士山が姿を現している。まだ8時過ぎで早い。朝食を摂ってから尾根をたどって大谷ヶ丸へと向かった。稜線の登山道は広葉樹に覆われたフットパスで、快適この上ない。お目当ての花は一向に見つけることができないが、快晴の稜線を歩けることだけで楽しい。

 大谷ヶ丸に着いてみると甲府側(西側)に展望が開け、雪を被った白峰三山が遠望できる。

 作業道をたどって滝子山方向に戻るはずだったが、地図を読み間違え、コンドウ丸に至る尾根に乗ってしまった。戻るのも面倒なので、作業道の様子は次の機会に見ることにし、大鹿峠から道証地蔵に下りることにした。

 ここでも驚いたことに、大谷ヶ丸からの下りが急だったこと、ダニがいたことを除けば、そこはどこまでも続く新緑の中の快適なプロムナードである。大鹿峠に着いたのが12時前であったことから3時間近く休みなく歩いたことになる。木陰のベンチに寝転んだら、甲府側から吹き寄せる心地よい風に誘われてすっかり寝入ってしまう。

 大鹿峠までの間にも目当ての花はなかったが、何よりの収穫は滝子山から大谷ヶ丸を経て大鹿峠までの周回路の素晴らしさであった。その花との対面は来年に持ち越すこととし、次はギボウシに似た葉の植物を探しに来ようと思う。


 我が家の庭のヤマシャクヤクがニョキニョキと茎を伸ばしたので、もう山の花も時期かなと「とっておきの山」にヤマシャクヤクを見に行った。滝子山に登った翌日、庭の植物に水やっていたらヤマシャクヤクと思っていたものがピンクの花を付けていた。昨年、カタクリを見に行った際、三毳山の麓の山野草販売コーナーで買い求めたヤマシャクヤクが、実はベニバナヤマシャクヤクであったのだった。店主は、関東の自生地は標高1000mぐらいのところだと言っていたが、滝子山からそう遠くない山にこのベニバナヤマシャクヤクがあるという。


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