霧雨の滝子山 ヤマトリカブト
2006/9/16
ヤマトリカブト 寂惝尾根
新緑の季節には稜線のミズナラやブナが美しい滝子山を登った。お目当てはオヤマリンドウで,寂惝尾根をたどってみた。
登山口の笹子駅には10名近い登山者が降り立ったが、すみ川沿いのルートに回る人ばかりで,寂惝尾根は独り占めである。大鹿林道までは植林された暗い道をたどるが、林道を横切るとそこから先は自然林となっている。しかし林床には目立った植生はなく、わずかにギボウシが見えるだけである。
稜線が岩場になり高度を上げていくと傾斜もきつくなって、濡れた岩場を慎重に進んでいく。幾度も岩場を登るとヒメイワカガミが青々とした葉を輝かせ、登山道脇を賑わせている。何年も前に来たとき以上に植生が広がっているようで、その群落がピンクの花を付けた様を思うと、素晴らしい光景が頭の中に広がってくる。
ヒメイワカガミの第一花園、第二花園を過ぎると植生が豊かになって、そこにオヤマリンドウが咲いているはずであるが,あの清々しい花を見つけることができない。
浜立尾根分岐を右に折れてアップダウンを繰り返し、最後のコルに下りると霧の中にヤマトリカブトが見える。わずか数本のトリカブトだが、思ってもいなかった花との出会いで心が弾んでくる。
頂上でゆっくりし、初狩駅に下りるコースをたどり桧平に着くと、初秋の草はらにフウロソウのピンクの花が揺れている。思ったよりきつい山登りであった。