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稲子湯から本沢温泉まで (2016)
2016/ 1/ 8〜9


硫黄岳を目前に強風で追い返される


 1月 8日 (土) 

 酉谷山避難小屋にも行きたいが、この季節の定番は何といっても八ヶ岳でしょ、ということで関越自動車道に乗り中部横断自動車道佐久南ICで下りる。高速道路の料金を少しでも安くあげるためには深夜0時以降にICを出なければならない。こうやってけなげな節約をし、山の経費を少しでも浮かせる算段なのだ(悲)。

 前泊は、佐久の「道の駅・ほっとぱーく浅科」。少し登山口の方向とは離れるが、主要幹線から外れていることもあって、駐車する車も少なく、何よりトイレは暖房が効き、おしゃれな?休憩所が24時間利用できるというのも、何かと世知辛い世の中なのに開放的でいい。



朝のしらびそ小屋

 道の駅で熟睡したのち、夜明けとともに松原湖を目指して車を進める。コンビニエンスストアがあちこちにあって、朝食&行動食などを購入するのに至極便利。松原湖から集落を抜け、稲子湯の先のゲートに向かう道は圧雪+アイスバーンとなっている。4シーズン目のスタッドレスタイヤはまだまだ使えそうで、問題ない。ちなみに、以前装着していたブリジストンのBLIZZAK REVOは常軌に反し9シーズン使ったが、まだまだ使えそうだったのに、車を代え替えたことで使命を終えた。


本沢温泉のテント場

 稲子湯先のゲート前の駐車スペースは、数台分の広さが除雪されていた。最後の一台となって止めることができたが、後から来たおじさんは、スコップで雪を除けて自前で駐車スペースを確保していた。身支度を整えゲート脇から林道に入ると、道はツルツルに凍っている。先に出発していったグループのうちの女性が一人、戻ってくる。
 「滑って転び、顔面を打ち、腕も打ってしまいました。私は、稲子湯でみんなの帰りを待つことにしたのです。気を付けていってらっしゃい。」
 確かに、登山道はところどころ氷化していて危険極まりない状況だったが、1日目も2日目もアイゼンを装着せず歩き通した。そのおかげで下山してから、左側臀部の痛みに襲われた。脚部のバランスを崩したものと思われる。これまでなら整骨院に行って体のバランス調整を行ってもらうのだが、今回は、自前でやることにした。
 用意するものは野球のボールか、ゴルフボール。横臥してボールの上に患部を載せ自重でグリグリやる。これが効くのなんのって、素晴らしい。お相撲さんに、登山でそのような症状が出るがどうしているのと聞くと、その方法でやるんだとのことだった。


夏沢峠/夏沢ヒュッテ

 しらびそ小屋で小休止したのち、中山峠への分岐から分かれて本沢温泉方向へと進む。心配していたトレースはしっかりあってホッとする。というより、あまりの雪の少なさである。2015年3月の時とは雲泥の差である。あの時は、尾根に登って本沢温泉が宿泊客を歩かせる道に下りるまでの南斜面の積雪の量が半端ではなく、また、沢沿いの斜面に付けられた道も深い雪で覆われるなど、全く姿を変えて危険極まりない状態だったのに、今回は雪があってもそれなりに快適な歩きが可能だった。
 本沢温泉のテント場は、秋口にちょっと雪が降りましたといった風情で、圧雪など全く必要なく、夏場のような感じでテントを張る。テントの設営を終えるとザックを身軽にし、温泉の帳場で受付を済ませてから夏沢峠へと向かう。


硫黄岳からの下山中の景色

 小屋から夏沢峠までの道は、それなりにトレースがあって夏場と同じような時間でやまびこ荘に着くことができた。樹林帯を潜り抜け硫黄岳を見ると、上空の雲が速いスピードで動いている。裸地になると強い風に吹かれ、寒さが厳しい。ロボット雨量計跡付近にあるとみられる標柱が見えるところで、それ以上進むことを止める。無理して行く必要はどこにもない。温泉も、日本酒も待っている。
 テント場に戻ると単独の男性が隣にテントを張っていた。湯の支度をして「石楠花の湯」に行くと、狭い湯船に大勢が入ってくる。今日は小屋は満員だという。失敗した。小屋泊の人の夕食の時間に来ればよかった。本沢温泉の冬場のお風呂は外風呂で、テント場からは結構離れている。テントに戻ろうとするとすぐさまタオルが凍ってしまう。テントに潜っての日本酒タイム&温かい夕食後は「日本の冬の定番モデル ISUKA 700SL」+「ヘリテイジのゴアテックス@シュラフカバー」が今夜のテントという宿の布団になる。シュラフの中には足元にダウンジャケットを押し込み、ここに足を入れると、朝方の冷えから格段に解放される。シュラフは−15℃までの対応だが、シュラフカバーと相まって、この方法で−20℃までは十分に耐えられるだろう。
 


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