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紅葉! オヤマリンドウ群落
 小川谷から登る酉谷山避難小屋〜七跳尾根


2010/11/ 3


山のごほうび オヤマリンドウ


 山での昼食を楽しむために、食材を担いで酉谷山避難小屋に向かう。FURENを伴っての日帰りとし、小川谷林道終点から酉谷山避難小屋へ向かい、長沢背稜を七跳尾根から下りるコースとした。新青梅街道を奥多摩にまっしぐらに向かう。

 小川谷林道は紅葉の真っ盛りであった。林道終点の土場にはすでに数台の車が停められている。ワゴンタクシーで到着した10名近いグループに先んじて三又(みまた)に向け出発するが、途中の崖に取り付けられた桟道であっさり追い着かれる。


先行するグループ 三又

 林道終点で見かけた夫婦が、三又で登山道の反対側の沢から出てきた。四間小屋尾根をタワ尾根に登って、ウトウノ頭にでも出るのだろうか。その後この2人の姿は見かけなかった。

FURENは、今年初めての山歩きである。それなのに、急な斜面の中腹に取り付けられた登山道、滑りやすい桟道が多々ある旧酉谷小屋のコースを歩くのはちょっと心配だなとは思っていたので、補助ロープをザックに入れてきたが、そのような所は一つ一つ注意することで、とりあえず三又に到着した。


長沢背稜を望む

 三又までくれば、もうリスクのある場所は少なくなる。あとは、あまたある巨樹と紅葉、渓流美を楽しむだけだ。三又から急なジグを切る登山道になる。グループの後を行くが、このグループは急に登山道を離れ支尾根を軽々と登っていく。そう言えば、何人かはいろいろ書き込みのある国土地理院の地図を持っていたことから、独自のバリエーションルートを歩き、滝谷ノ峰と行者ノタオの中間にでも出るのだろうか。

 旧酉谷小屋で小休止し、ミネラルを補給する。旧酉谷小屋からは沢の流れが細くなり、いつしか涸れた沢となる。傾斜も急になりFURENはゆっくりと登ってくる。涸れた巨樹を切り倒した場所(当日のプロトレックで標高1500m余のところ)で涸沢をはさんだ下方の左手斜面を見ると、水が勢いよくほとばしりながら流れ出て、その流れはすぐ斜面に吸い込まれていた。その場所から酉谷山避難小屋までは20分程度なので、小屋の水が涸れているときに活用できるかもしれない。


巨樹

 踏み跡程度に薄い登山道が広葉樹林から針葉樹林に入って10〜15分我慢すると酉谷山避難小屋に出る。快晴の澄み切った景色の彼方に富士山が見える。小屋の板場にシュラフが置かれ、今晩の寝場所が確保されている。酉谷山避難小屋開設以来のファンだという単独氏も到着し、今宵の寝場所を確保した。そして3人目が・・・。
土日・休日ともなるとコンクリートのたたきも寝場所になるというこの小屋は、今晩も盛況となりそうだ。

 先着していた単独男性がお昼を用意し始めた。我が隊の今日のメニューはすき焼き、食後は「下町バームクーヘンのバームクーヘン」に「サッポロ珈琲館のモカブレンド」で、これを楽しみに登ってきたと言っても過言ではない。ちょうど食事が終わってコーヒーを淹れているところに、「バスの時刻を知りませんか。」と青年が小屋に入ってくる。


旧酉谷小屋

 「いま仕事がないので時間はたっぷりあるんです。」という青年は多少疲れ気味に見えたので、コーヒーとバームクーヘンをおすそ分けした。「米しか食べていなかったんです。」「コーヒー、おいしいです。」と言ってうまそうに飲んでくれていた。

 あまりの快適さに長居し過ぎた。そろそろお別れをしなければ・・・。 小屋から長沢背稜に出て七跳山への快適な道を歩く。もう、木々は葉を落としているが、樹林の隙間から見える山の中腹は真っ赤に燃えている。


酉谷山避難小屋

 途中、思いも寄らないオヤマリンドウの群れに出会い、七跳尾根を下る。もう間もなく小川谷にも太陽が差し込まなくなるという時間だったので、林道終点の土場で着替え中に下りてきた単独氏に同乗を勧め、駐車場のある鍾乳洞に向かう。登山者を満載したバスの後を追いながら奥多摩駅に向かうと、その先は青梅街道も新青梅街道も断続的に車の数珠繋ぎで、結局100kmほどの距離に5時間近くもかかってしまい、休日の山登りのもう一つの困難さを実感した。 


往路 復路
地点 地点
0855 林道終点 1330 酉谷山避難小屋
0920 0925 三又 1415 1420 七跳尾根分岐
1030 1040 旧酉谷小屋 1540 林道終点
1140 酉谷山避難小屋
所要 2h45m 所要 2h10m

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