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アズマシャクナゲ咲く稜線を矢岳から酉谷山避難小屋へと歩く
2011/ 6/ 3〜4


 6月 3日(金) 1日目  

 


西武秩父駅から見た武甲山

 石灰岩採掘のため山肌が大型重機で日々削り取られ痛々しい限りですが、やはり標高は1、304m武甲山の姿はほれぼれします。今日は武甲山はただ眺めるだけです。西武秩父駅から秩父鉄道に乗り換えて武州中川駅で降り、今年3回目の矢岳を登ります。矢岳からはさらに進んで酉谷山まで行きますが、目当ては、雪のある時期に見たアズマシャクナゲと快適な酉谷山避難小屋泊まりなのでした。


フナイド尾根からルートを俯瞰する

 武州中川駅で身支度を整え山道に入ります。もう時期の過ぎたミズバショウやクリンソウを横目で見やりながら植林地帯に入ります。今日は久しぶりの好天気ということで朝から汗が出ますが、風の通らない樹林帯と急登も影響しています。若御子山や大反山への案内板がありますが、巻き道をクタジノクビレ目指して黙々と登るのはいつものとおりです。


ヤマツツジ (篠戸山) 

 クタジノクビレを右に(大反山は左)折れて送電線の下に出ますが、ここからようやく自然林の尾根歩きという感じがします。それでも左手の秩父さくら湖側斜面は相変わらずの植林で、その光景は矢岳の手前まで続いています。フナイド尾根が合わさるとkろが大規模に伐採地されて、今は植樹の作業中です。1040m篠戸山あたりの稜線の右手に色鮮やかなヤマツツジがわずかに見られます。


 このコースは地図上では約7時間半のコースです。始発電車を使っても登山口である武州中川駅を出立できるのは午前8時を過ぎてしまうので、あまり休憩を取っていては目的地に着くころには陽が傾いてしまいます。武州中川駅の標高は250mで長沢背稜にある坊主山の標高が1,702mですから、単純な標高差だけでも1,450mと結構なハードコースです。そんなわけで矢岳までの間の休憩はほんの少しずつしか取とっていません。


赤岩ノ頭のアズマシャクナゲ

 そのような努力の結果、今日は矢岳には前回より1時間早くも着いてしまいました。それにはもう一つ理由があって、今回はザックを75リットルから50リットルし、水も食料も必要最小限し、そのほかの装備もギリギリに削ったからでしょう。矢岳から先は、前回も前々回も雪があったから今回との時間の比較はできませんが、結果的には酉谷山避難小屋へは当初予定の午後5時半を大きく下回る午後2時40分に到着できました。[2011/3/24~25の矢岳〜酉谷山] [2011/4/1~2の矢岳〜酉谷山]


牛首

 さて、目的の花のアズマシャクナゲですが、赤岩ノ頭ではまだ標高が低いからか花付きがよくなく、ほんの数株咲いているだけでした。それでも、この稜線で初めて見たシャクナゲの花なので、喜びはひとしおでした。ここまでの間、ミツバツツジも多く咲いてはいましたが、赤岩ノ頭を過ぎて稜線が特にゴツゴツしてくるとツツジの本格的な出番です。


 牛首あたりはシャクナゲもツツジもありで、なかなかの雰囲気です。赤岩ノ頭から立橋山の間でイワカガミを一株見つけたのですが、牛首では2株あり、2日間で見かけたイワカガミはこれだけでした。それにしても運が良かったというほかありません。


 初めて矢岳からのルートを歩いたときは長沢背稜への降り口が分からず、尾根筋を酉谷山方面へ下って行ったのですが、牛首から登り詰めると赤テープのマーカーが見つからなくてもそのまま直進し、やわらかな尾根を越えながら今度は右手に(踏み跡もあるし、見つからなくても)斜めに下りれば長沢背稜に出合います。


 赤岩ノ頭の手前の分岐(荒川地区へ下りる)には古い道標が置かれています。この道標を見ると「牛首峠〜割谷ノ頭(坊主山)〜トリ谷山方面 注意:路なし(小屋まで約5ジカン)」と書かれていますが、この標識の言うトリ谷小屋は「旧酉谷小屋」のことだと思われます。その当時は本当に難路であったのでしょう。今でも山地図上の所要時間は4時間程度と見積もることができます。


 今日は調子よく歩けたので、坊主山から長沢背稜に出合ったのは14時25分でした。計画では17時00分が通過予定時刻ですので、狐につままれたような感じです。そういえば、翌日、霧藻ヶ峰の登りで追い越した女性から、霧藻ヶ峰の休憩舎で休んでいるときに「ダブルストックの使い方が上手ですね。」とお上手を言われましたが、エネルギーが漲っていたことには違いなかったのかも知れません。なんと、酉谷山避難小屋には長沢背稜に出てから15分の14時40分に着いてしまいました。


 小屋の水は、前回に比べさらに勢いよく流れ出ていました。ビールと秩父錦を冷やします。まだ身支度も解かないうちに単独氏がやってきました。いろいろとユニークなコース取りをして山を楽しんでいる方でした。


往路    復路   
 着  地点 発  着  地点  発 
   武州中川駅 0815     酉谷山避難小屋 0545 
0935   クタジノクビレ 0940 0635  タワ尾根分岐 0640 
1020   篠戸山 1030  0715   天祖山分岐 0715 
1205  矢岳 1215  0745  長沢山 0745 
1245  荒川分岐 1245  0935  芋ノ木ドッケ 0940 
1340  赤岩ノ頭 1340  1000   白岩小屋 1000 
1405   牛首 1405 1045  お清平 1045 
1425  長沢背稜 1425  1105  霧藻ヶ峰 1115 
1440  酉谷山避難小屋   1200   三峰神社  
 所要時間 0525 所要時間  0615 

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